斎藤剛史の教育ニュース観察日記

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zoom RSS 顧客ニーズに応える学校2

<<   作成日時 : 2005/09/21 01:18   >>

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 前回のエントリー「顧客ニーズに応える学校とは」では、多くのアクセスをいただきました。賛否いろいろな意見があるでしょうが、やはり気になるという方が多いのではと思います。そこで、五反野小学校の具体的な取り組みのポイントをいくつか私の視点でまとめてみました。ただ、私は五反野小学校の取り組みを全面的に肯定するつもりはありませんし、一般の学校で同じようなことをすべきだと言うつもりもありません。また、学校を取材してから時間が経っていること、三原校長の話を中心に聞いたので、事実の誤認や解釈の誤りがあるかもしれません。その場合、責任はすべて私にあります。

○学校運営協議会が学校運営の承認権、教員人事に関与する権限を持つ
 五反野小学校は地方教育行政組織法の改正により今年度から誕生した地域運営学校(コミュニティ・スクール)の指定を区教委から受け、保護者、地域住民、教員、行政の分野からなる11人で学校運営協議会が構成されています。学校運営協議会は、都道府県教委に対して教員人事に要望を述べることもでき、原則として都道府県教委は要望を尊重しなければならないと法律で定められています。現在、コミュニティ・スクールは全国で24校あります。

○顧客ニーズに応えるために教員に時間を生み出す
・教員に一人一台パソコンを配備し、文書ですむ連絡事項はすべてメールですませ、朝の全体会議は廃止。
・児童の出欠、早退、給食必要人数などの管理は、連絡を受けた職員がデータベースに入力するだけで済ませる。
・記録簿などの記載もデータベースへの入力のみとする。
・担任に関係なく児童について気がついた点があれば、データベースに入力する。具体的には「よいこと見つけ」という仕組みで、児童の長所の共有化を図るそうです。
・通知表の所見欄の手書きを廃止。代わりにパソコンで入力した日々の記録を基にした所見を通知表とは別に添付する。

○学校を開く(情報公開)
・「学校の情報は、顧客ニーズを知るために出す。ただ出すだけではない」(三原校長)
・学校のホームページは、児童の活動の写真を主体として毎日更新する。長い記事はいらない、子どもの日々の様子を見せればよい。ホームページには児童への配布資料一覧などのページもあります。
・年2回1週間の学校公開を実施。保護者や地域住民に自由に授業を見せ、記名式の授業診断シートを書いてもらう。授業診断シートの結果はデータ化する。保護者や地域住民の評価は必ずしも客観的なものではないが、各項目の中の5段階評価で5の評価がいくつあったかはデータとして信頼できるのではないか。これは、反発も大きいようで、人事考課には利用しないと教員に確約しているそうです。

○顧客を知る
・授業評価アンケートの内容は、他の教員の分も含めてすべての教員に公開する。
・授業評価アンケートの自由記述欄を基に、各担任は保護者と意見交換会を実施する。
・意見交換会では、保護者の要望を聞き、またどう具体化しているのかを説明する。保護者の学校不信は、学校が対応しているかどうかよりも、対応していることを知らないことからくる。
・無理難題な要望まで対応する必要はない。しかし、聞くことは必要だ。
・保護者の要望を具体化した教育活動の例としては、朝15分間の反復学習「パワーアップタイム」(週3回)、チームティーチングの導入、大学生による教育ボランティアの導入などがあるそうです。

○地域・保護者にも当事者として協力を得る
・「子どもと1日15分以上話す」「子どもの宿題を見る」「テレビは1日2時間以内とする」など学校として直接言い辛い内容は、学校運営協議会から保護者に伝える。
・「1家庭1役割」として、さまざまな役割や仕事を決めた上で、学校ボランティアで必ずどれかの活動してもらう。
・子ども1人につき2回の割合で交通指導に立ってもらう。

 最後に重ねて言いますが、これらはあくまで「顧客ニーズに応える学校」という視点で、私が選択し解釈して書いたもので、五反野小学校の正確な実践内容を伝えるものではありません。どうかそのへんはご理解ください。
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顧客ニーズに応える学校とは
 地域住民などによる学校運営協議会が、学校の予算やカリキュラム編制の承認権を持ち、教員の人事にも関与できるコミュニティ・スクール(地域運営学校)という新しい形の公立学校制度が今年度から始まっています。そのうちの一つである東京・足立区立五反野小学校の三原校長に話を聞く機会がありました。三原氏は、ベネッセ出身の民間人校長です。足立区は区立小・中学校とも学校選択制を導入しており、保護者と子どもは入学する学校を選ぶことができます。さらに、地域住民が学校運営にかかわる権限まで持つ学校、ある意味で日本... ...続きを見る
教育ニュース観察日記
2005/09/21 18:25

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
「顧客ニーズ」とは非常に難しいですね。そもそも「ニーズ」とは顧客自身が本当に心から「望んで」考えているものなのか。そうではないとしたら、誰が、どのように作り上げているのか。何か「マジック・ワード」のような感じがして仕方ありません。
go(いつもお世話になってます!)
2005/09/21 23:04
興味深く読ませていただきました。この場合,学校にとっての「顧客」とは,保護者のことを指すのでしょうか?
madographos
2005/09/22 00:19
goさん、こめんとありがとう。この時間まで仕事しているみたいですね。雑誌を作っている立場から見れば、ニーズに悩むのも無理ないですか。
ニーズに応えるというのは、じつはニーズを掘り起こす、あるいはニーズを作り出すということなのかもしれません。単に表面的なニーズに応えるだけでは雑誌は売れません。考えてみると、教育のニーズというのも本当は一体何なのか、難しい問題です。しかし、これまでの公立学校はそのニーズをほとんど考えていなかったか、あるいは考えても学校のみで判断してこれがニーズだと思い込んでいた部分があるのではないでしょうか。ニーズに応えるという仕事の大部分は、何が本当にニーズなのかを知る、あるいはお客にニーズを自覚させるということなのかもしれません。
カラ
2005/09/22 01:45
 madographosさん、鋭い指摘ありがとうございます。話を義務教育段階に限れば、学校の顧客は保護者ではないでしょうか。これに地域の付託に応えるべき公立学校は、地域住民も入ってくる。文科省のホームページをみると、地域運営学校は「地域と保護者」の要望に応え、学校・地域・保護者が一体となって子どもの教育に当たると説明されています。
 しかし、実際に教育を受けるのは子どもですから、そのニーズにも対応していないといけないわけですよね。では、地域、保護者、子どもの間のニーズが対立したらどうすべきか。ニーズに対応するといっても義務教育段階の学校の場合、そう簡単ではないと、ご指摘いただき考えました。
 ただ、はっきり言えることは、学校のことは専門家である教員に任せて、地域や保護者は口を出さずに手助けしてくれるだけでよいという考え方がしだいに通用しなくなりつつあることだと思います。それがよいことなのか、悪いことなのかは判断が分かれるところですが。
カラ
2005/09/22 02:13

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