斎藤剛史の教育ニュース観察日記

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zoom RSS 教員給与批判にどう答えるか

<<   作成日時 : 2005/10/23 00:41   >>

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教員給与は高すぎるという財政制度審議会の議論にたいしては、いろいろなブログで批判がでています。その中で、いつも拝見させてもらっているマイスターさんのブログ「俺の職場は大学キャンパス」は、一般社会の常識からみた教員への疑問という感じで今回の話題が取り上げられていました。財政審のような偏った意見ではなく、ごく常識的、かつ建設的に意見だと思います。感情的にならずに、このような意見に反論し、納得させることができるかというのが公立学校関係者に問われているのではないでしょうか。

以下、マイスターさんの疑問を並べてみました。

@残業代が出ないのに、なんで校務を全部、教員がやっているの?
 事務職員にやらせるなり、学校支援ボランティアや学校支援NPOをつくればよいではないかというのがマイスターさんの意見です。
 事務職員と教諭の職種は完全に分かれているので、教育にかかわる活動をやらせるというのは無理でしょうね。だいたい学校が行う教育活動は教員抜きで実施することはできないといううのが現在の仕組みです。校務分掌も制度的に教員の仕事として細かく既定されいます。ただ、学校支援ボランティアなど外部の力を積極的に活用する努力は必要です。予算はどうするんだという話は別にして。これも教員が授業、部活指導、生徒指導以外でどんな仕事をしているのかということが、学校関係者以外にはなかなかイメージできないためでしょう。その溝を埋めていく努力は教員の側に必要だと思います。

A校務のせいで残業できないくらい忙しいのなら、教育力、指導力を上げるための努力は、いつしているの?
 これも当然な疑問だと思います。だ・か・らぁ〜と感情的にならずに官製研修の内容やその問題点、自己研修の実態などを明らかにする必要があるでしょう。その結果、忙しすぎて教育力向上に掛ける時間が本当にないとなれば、それこそ行政側への問題提起とすべきです。

B校務の合理化はしているの?
 やればやるほど仕事が増えるという教育の特殊性を踏まえても、これも社会一般の当たり前の受け止め方だと思います。パソコン管理による仕事の合理化、無駄な会議の廃止、瑣末な報告書主義の廃止、、、、、いずれも学校現場では教員自身が望んでいることではありのですが。しかし、各学校で取り組んでみる努力ははやり必要だと思います。

C残業代が出ないなら、成果を出した人に対して、どういう形で報いているの?
 これは、社会一般と公立学校が一番すれ違っている部分でしょうね。業績評価はもはや一般社会では常識です。評価され、給与や手当が上がるのは社会では良い事です。しかし、大学研究者の論文数と違い、公立学校教員の成果や業績は測りづらい。私も絶対のこの人は他人の能力評価などしてはいけないという校長を何人か知っています。業績給制度には学校現場ではおそらく反対の方が多いのでしょう。しかし、世の中は能力主義の導入反対に対して、行政と組合の対立程度にしかとらえていません。残念ですが。


D「自分たちに決める権限がない」んだとしたら、決められるようになりたいと思う?
 「予算と、あらゆる人事の決定権を地方に、ひいては学校それぞれに引きずりおろすことで、教育支援職員を雇用したり、ボランティアを組織したり、NPOを作ったりということは、より容易になる」が本当に教員にその覚悟があるかということでしょう。批判を覚悟で言えば、数年で異動する公立学校教員にこんな覚悟があるはずがないです。あるという人はごめんなさい、、、、。

マイスターさんはこう指摘しています。

「学校の合理化をしない、オープンな組織にしない背景にはたぶん、『忙しいけど、学校のことは、自分たち以外にできないんだ!』という教員達の思いがあるのではないかと思います。それはかっこよく言えば使命感ですが、悪く言うと、『自分たちの仲間(同僚)以外は信用してないし、ソトと交流とか交渉とかしたくない』というちょっとねじれたプライドと、閉鎖的なムラ意識です」


 システムとして学校を開く、業務を合理化する、適正な教員評価ができる環境と仕組みをつくる、、、、、例えば、欧米のように公立学校が学校単位で人事権や予算権などを持っていて、教員もその学校に固定していたら可能かもしれません。しかし、それが無理なのでこれらは結局、教育行政に頼るしかないが、そこでまた対立やひずみが起こる。日本の学校改革はこの繰り返しだと思います。
 私は専門職としてのモチベーションを損なうような給与引き下げには反対です。しかし、社会一般は必ずしもそうではないということも否定できない事実です。本来ならこのような声を代弁するのが教職員団体なのでしょうが、組合(ある最大組織)は過去の経緯からイメージが悪く、いまの一般の人々でまともに聞く人は少ないでしょう(なんなことはないという意見も多々あることは承知してますが)。考えてみれば、専門職の集まりである教員全体の声を社会に発進することを主目的とした組織やメディアがない(あるいは認識されていない)というのが一番の問題なのかもしれません。その意味では教育のブログは貴重な存在だと思います。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
教員は優遇されているそうです。教員になってみませんか?
教職員の給与引き下げ要請 一般行政職より11%高く 産経新聞 校長先生の年金は次官並み・財制審が教員給与見直し提起 日経新聞 校長の年金、事務次官より上…優遇廃止を財政審提言へ 読売新聞 教員の給料高すぎ? 年金額にも反映、財政審でやり玉に 朝日新聞 ...続きを見る
今日行く審議会
2005/10/23 01:00
学校の先生はー,気楽な稼業ときたもんだっ!
公立学校の教師の給与が「あまりに優遇過ぎる」ということで,優遇給与を廃止し,かつ年金も見直そうという動きが財務省を中心に出いているそうです。 要するに,「教員のリストラ」を開始する,ということです。 ...続きを見る
あれは,あれで良いのかな?
2005/10/23 11:34
教職員給与下げ
 ただひたすらに黒板に向かいブツブツと小さい声で何かを話しながら教科書を写すだけの板書を続ける。 高校生(正確には高校ではないが)のころ、理工系の私達にとって数学は基礎工事のようなものでした。 しかし、そんな数学のS先生の授業を聞いている学生は一割もい... ...続きを見る
役所ディズニーランド計画
2005/10/23 17:02
それなら先生の給与もマクドナルドみたいに1分単位で計りなさい!
なんとも、驚いたニュースが出ました。 公立小中学校教職員の給与を今よりも下げるというのです。 財務省は一体何を考えているのでしょうか? ...続きを見る
THE義務教育-保護者が感じる「今の学校...
2005/10/23 23:04
公務員たたきの一環としての教員たたき
 今日行く審議会さんのところの「教員は優遇されているそうです。教員になってみませんか?」にトラックバックします。 ...続きを見る
5号館のつぶやき
2005/10/24 11:21
教員給与引下げ報道に関して
SakeiWebによると、 ...続きを見る
ザ・教室 blog 教師からのメッセージ
2005/10/24 13:38
一人の教師の声として
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Mobi's Slow Life
2005/10/25 22:06
教員の給料は高いのか?
最近,ブログをサボっていたので,遅れましたが,教員の給料についての私の意見を述べたい。私の意見としては,高い給料がほしくて,安定した収入がほしくて,教員になったわけではないので,本音としては,あまり給料について関心がない。自分の好きなことをしていたら,給... ...続きを見る
うさなまけのお部屋「教師の日常生活」
2005/10/31 19:39

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
カラさん、こんばんは。ワタナベです。
マスコミを中心に財務省の考えに同調する方が結構いらっしゃるというのは、驚きです。
このままでは、いけないと思い、取り急ぎ、多方面の方々の声を集約できるTBセンターを作りました。
「教員給与引下げ報道に関して」のTBセンターを日本ブログ村の教育ブログページにあります。http://education.blogmura.com/tb_entry50760.html
是非トラックバックしてください。いろいろな意見を一同に集めて、みんなでいい方向に考えていくことを望んでいます。
マスコミの方々にも、目を通していただけるように頑張りたいですね。
THE義務教育
2005/10/23 23:00
こんにちは。私の記事を大変丁寧に読んでいただきまして、ありがとうございます。

私の記述の各部分についてご回答していただきましたが、まず私が全体を通じて申し上げたいのは、「このままでは学校はダメだ」ということです。
この点につきましては、おそらく少なからぬ国民が、同じように感じておられるのではないかと思います。教員の皆様は、また教員としての立場で、危機感や問題意識を感じておられるのだろうと推察いたします。

私のブログは、企業でプロデューサーをやっていた人間としての視点で、「たとえば、学校のこんなところがいけないんじゃないか?」という意見を書いたものですので、こうしてご意見をいただけますと、「あぁ、そういう問題も有るのか」と考えを共有することができ、助かります。

ぜひ、「こういうのが理想だから、こういう点で力を貸してほしい」といった提案が、学校からもっと社会に発信していただければと思います。
マイスター
2005/10/24 14:21
ワタナベさん、えらい。すぐ行動に出るところがとてもえらい。
私なんて、いつも口(文章か、、、)だけで。やはり一つ一つの具体的行動の積み重ねが大事ですよね。
カラ
2005/10/24 14:48
マイスターさん、失礼にならなかったかとひやひやしてました。マイスターさんのように社会常識を持った建設的な批判はとても大切なことだと思います。学校や教員については、どうしても敵か味方から論調が二分されがちですから。
それと、、、教員の方々はとても純真で、ある意味喧嘩が下手です。感情的発言があってもそのまま受け止めない方がいいです。じっくり話せば大概はよい人ばかりです。
カラ
2005/10/24 14:55
失礼だなんてとんでもございません(^_^;)

私も、ああしてえらそうなブログを書いておりますが、みなさんが普段、どのような思いで働いておられるか等はなかなか知ることができず、迷いながら書いています。

「この記事を読むのは、がんばっている教員の方ばっかりなんだろうな。そういう方々のモチベーションをかえって下げてしまうのは、記事としてどうなんだろう?」

などと、ああだこうだ思って更新ボタンを押します。最終的には自分なりの視点で書くように努めているのですが、ふっ切れて書けるようには、なりそうにありません。

このように暗中模索しながら書いていますので、どんな形であってもリアクションをいただけると、参考になり、うれしいです。

カラさんの最後のアドバイスは、ありがたく頂戴いたします。(どの世界にもそういう方はいらっしゃいますし、ね)
マイスター
2005/10/26 17:06
教員は楽な商売。うちの近くの共稼ぎ教員は夕方五時半には二人とも帰宅している。朝は8時
に家を出ているし近所では皆呆れている。
天網かいかい疎にして漏らさず
2007/04/28 13:56
モチベーションなどとおっしゃているけれども、地方財政が危機的状況の現在、地方公務員給与の削減をするのはきわめて当然なのでは?民間であれば、ボーナス昇給ゼロどころか、リストラ実施や倒産になってもおかしくない自治体がごろごろしているのが現実なわけです。にもかかわらず、いまだに地方税収32兆のうち30兆円が教員を含む地方公務員の給与に消えている。しかも、彼らの年間給与額は、民間平均400万円台を大幅に上回る700万円台に達している。せめてこれを民間平均水準ぐらいには引き下げるべきなのでは?実際、民間平均にあわせるだけで、年間10数兆の税収が浮き、その結果、消費税引き上げなどなくても社会保障対策は可能となります。教員のモチベーション云々を議論する前に、国民の納税に対するモチベーションの方をもっと大事にすべきではないでしょうか。
ときおきと
2008/03/01 12:18

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