斎藤剛史の教育ニュース観察日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 学習指導要領改訂に遅れ

<<   作成日時 : 2006/06/15 02:03   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 4

 今回はニュースのネタではないのですが、学習指導要領の改訂作業が大幅に遅れるのではないかという観測が流れているというお話です。
 学習指導要領は、学校教育にとって最も大きな話題の一つなので、まだ推測の域を出ませんが、書いておいてもよいと思います。

●教育基本法改正案の予想外の国会提出で改訂作業に狂い
 教育基本法改正案についてはいろいろ言いたいこともありますが、いずれにしろ今国会での提出はまさに予想外でした。これは法案を作成した文科省も同様でしょう。さらに、これまた予想外の会期延長なしという小泉首相の決断が、学習指導要領の改訂スケジュールに大きな影響を及ぼしているようです。

 学習指導要領は、学校教育の内容を規定したものですが、法的には文科省の省令です。ですから学校教育法、さらには教育基本法などの法律が大きく変われば、学習指導要領もそれに対応しなければなりません。

 まず、予想外の展開で今国会に教育基本法改正案が提出されたため、文科省の事務方は国会対応で忙殺され、中教審の学習指導要領改訂の審議は現在、実質的にストップしているようです。今国会が閉会してもすぐに来年度概算要求の編成時期がくるほか、中教審委員も夏休みシーズンに入るので夏の審議はたぶん難しいでしょう。
 
 秋になると小泉首相の退陣による新内閣・新閣僚の誕生、それに伴う各種の政治的対応、臨時国会での教育基本法改正案の審議再開となり、やはり中教審で満足な審議ができる状態にはならないと予想されます。

 また、仮に臨時国会で教育基本法改正案が成立すれば、今度はそれに対応して義務教育や高校教育の理念、愛国心問題、宗教教育の充実、学校と家庭・社会の連携などなどで、学校教育法以下の関係法令の改正を来年春の通常国会に提出し成立させなければならないほか、教育基本法改正案に盛り込まれている教育振興基本計画の策定に文科省は着手しなければなりません。

 当然、学校教育法などの法令改正は学習指導要領の内容にも影響することになるため、関係法の改正案が国会で成立しないと、学習指導要領の改訂もできないことになります。学習指導要領の改訂を一度告示してから、さらに法改正に関係する部分だけ再改訂するという方法もありますが、今回は教育基本法の見直しが発端ですからそんなことはできないでしょう。

 文科省は、学習指導要領の改訂は早ければ今年度中に行うという方針を示していましたが、もはや今年度中などという目標は不可能です。今後の国会情勢にも関係しますが、おそらく学習指導要領の改訂作業は大幅に遅れることになるのではないでしょうか。


 それにしても、、、、、、教育基本法が変わっても現場はほとんど関係ないというのが私の本音ですが、学校教育法をはじめとする関係法令改正の膨大さ、学習指導要領への影響などを見ると、「やはり教育基本法は、教育の基本なんだな」と変な意味で感心させられました。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
東京都:独自に最低限の学力明示へ
朝日新聞より 「九九暗記・接続詞使い分け… 都、最低限の学力明示へ」 http://www.asahi.com/life/update/0622/003.html 信じられない方もいらっしゃるかもしれませんが、文科省は「学習指導要領」を通じて、教える側の先生のための指導指針は示しているものの... ...続きを見る
塾長のブログ
2006/06/22 10:26

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
カラさん、どうも。
>教育基本法が変わっても現場はほとんど関係ないというのが私の本音ですが、
 わたしもそう思います。それより学習指導要領が早く決まらないのは困るでしょう。
 学習指導要領がらみで、質問なんですが、私は以前から「学習指導要領は先生側の教え方の指針であって、教えた結果つまり、児童、生徒がどれだけ教えたことを理解したかについては、なにも記述されていないし、理解度の目標も示していない。」と認識しているのですが、この考えは間違ってますか?また、文科省は児童、生徒の学習の理解度に対して、最低限の目標のようなものを、他の文書でも示していないような気がするのですが、これも間違いでしょうか?
謎の中国人ミスターM
2006/06/15 11:07
塾長さん、返事が遅くなり申し訳ありません。

お尋ねの件ですが、確かに学習指導要領の教えるべきことの基準です。子供が理解したかどうかの基準だったら、教員は大変なことになっているでしょうね。

ただ、次期学習指導要領では各教科ごとに、抽象的な表現になると思いますが、到達目標が明示される予定です。これに来年度から小学校6年生と中学校3年生を対象にした全国学力テストが加わります。

また、次期学習指導要領とセットで文科省が導入しようとしている学校評価の義務付けでは、評価基準の中に児童生徒の到達度が入ることになると思います。

文科省は学習指導要領はミニマムスタンダードであることを認めましたが、同時にそれを子供たちにできる限りの習得・理解させることを学校と教員に求めていくようです。
カラ
2006/06/17 04:48
カラさん、詳しい回答ありがとうございます。

>ただ、次期学習指導要領では各教科ごとに、抽象的な表現になると思いますが、到達目標が明示される予定です。

 そうですか、やっと「指導した結果の評価」という考えが文言になるのですね。

>次期学習指導要領とセットで文科省が導入しようとしている学校評価の義務付けでは、評価基準の中に児童生徒の到達度が入ることになると思います。

 これで、学力低位に取り残されたこども達の、学力の底上げが、指導の注力ポイントになってくれれば、こちらとしては、うれしい限りです。
謎の中国人ミスターM
2006/06/17 09:20
いつも興味深い記事をありがとうございます。お尋ねします。
いま、指導要領の改訂作業はどうなっているのでしょうか?2007年度も無理なのでしょうか?
M
2007/05/19 20:26

コメントする help

ニックネーム
本 文
学習指導要領改訂に遅れ 斎藤剛史の教育ニュース観察日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる