斎藤剛史の教育ニュース観察日記

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zoom RSS どうなる教育再生会議

<<   作成日時 : 2006/10/11 15:15   >>

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 さて、雑談のエントリーのあとは、本論。教育再生会議ですね。ふうむ、、、、どうなんでしょうか。正直、国民をなめているとしか私には思えません。

◎教育再生会議の委員決まる 教育改革を検討(朝日新聞)
 政府は10日、安倍首相が国政の最重要課題と位置づける教育改革の具体策を検討する「教育再生会議」の設置を閣議決定した。座長には、ノーベル化学賞受賞者の野依良治・理化学研究所理事長を起用。計17人の有識者と安倍首相、伊吹文部科学相らで構成する。当面は、教員免許の更新制度や学校の外部評価制度の導入などを議論する。来年3月ごろに中間報告、来年中に最終報告をまとめる方針。


◎設置自体があまりにお手軽ではないか。
 以前のエントリーでも書きましたが、私は安倍首相の就任前の言動などの報道から、教育再生会議は法律設置になると思い込んでいました。だから、委員の人選や設置は、来年の通常国会後だろうと予想していたのです。

 ちなみに、この手の会議は、大きく2つの設置形態があります。一つは、経済財政諮問会議や中央教育審議会のように法律で設置が決まっているものです。中曽根首相時代の臨時教育審議会は法律による設置でした。もう一つは、法律や省令などによらず自由につくれるもので、これを私的諮問機関と言います。検討会などの名称でたくさんつくられているのがこれで、小渕首相がつくった教育改革国民会議は私的諮問機関です。

 当然、法律設置の審議会の方が原則とてし存在が重いわけですが、国会審議を経なければならないので、与野党の妥協が入ります。臨時教育審議会も設置法審議では、おおもめにもめましたし、日教組から委員が入ることにもなりました。ちなみに、当時の文相は森元首相です。小渕首相が教育改革国民会議を設置するときに、国会審議などの制約を受けない私的諮問機関にした方がよいという知恵をつけたのは中曽根氏ですが、こんどは森氏が安倍首相にアドバイスしたのでしょうか。

 しかし、日本の教育を再生すると公言し、マニフェストにも載せた首相が、蓋を開けてみれば私的諮問機関でしたというのは、あまりにお手軽すぎるのではないか。改革のスピード重視という理由もあるでしょうが、目先にとらわれすぎている。愛国心などの情緒的課題以外では、安倍首相はじつは教育に関心が薄いのではと疑う理由です。


◎審議期間は十分なのか
 これから発足させて、来年3月までに中間報告、来年中に最終報告ですか。臨時教育審議会は発足から最終答申までに4年間かけてましたとは、いまさら言いいませんが。2週間に1回という会議ペースで、どれだけのことが議論できるのか。

 教育改革国民会議は、1年足らずでしたが結局、教育基本法改正を答申させたかっただけの機関にすぎず、これ以外に報告書に盛り込まれている事項は、すべて思いつきの羅列にしかすぎません。

 そもそも検討テーマとされている教員免許の更新制、外部評価を含む学校評価、教員給与の見直しなどは、既に既定路線としてし文科省が着手してるものです。一方、教育バウチャーなどはそれこそ与党内にも反対意見が強く、海のものとも山のものとも。

 審議に時間をかければよいとは限りませんが、法律設置により首相が代わっても引き継がれることになった臨時教育審議会は、教育の特色化・個性化という理念を構築しました。賛否はあるでしょうが、当時の審議経過概要(答申は利害調整されているので読んでも面白くないです)を読むと、まさにポスト工業化社会を先取りした議論が行われており、これは当時は私も含めてほとんどの人が理解できなかったのは当然だなと今さらながらに思います。

 これに対して、教育国民会議の議論は、教育基本法改正を除けば、一政権のみ有効の情緒的議論に終始しています。

 要するに、教育改革国民会議に始まった一連の保守的、情緒的ともいえる教育改革の成果を、ここにきて自分の実績として総取りしたいだけなりではないか、、、とも疑ってしまいます。


◎それにしても小才だけは効いている
 志が低いのに、小才には長けてているという感じがします。それは、事務局の頭に首相補佐官の山谷えり子参院議員、実際の事務を扱う室長にヤンキー先生こと義家氏を据えたことです。

 一般的には知られていませんが、審議会を動かすのは委員ではなく事務局です。臨時教育審議会当時、文部省は事務局を牛耳ることに全精力をつかいました。教育改革国民会議でも関係省庁は、エース級の人材を事務局に送り込み勢力争いをしていました。このように事務局を押さえることが役人にとっては重要なのです。そのトップに民間人を置くというのは、役人を抑えるためのとてもかしこいやり方です。

 言っていることは高尚、中身は疑問、だけど小才はある。


◎委員の人選については、、、、、
 委員自体については、どうこういうような人はいない。みんな、優れた人です。ただ、全体としてみれば、明らかに臨時教育審議会はもちろんのこと、教育改革国民会議よりも劣る。

 昔話ですが、インターネットなどなかった時代に臨時教育審議会の委員の経歴を調べ、関係書籍にも目を通しながら、一般的社会の知名度は高くなくても、日本にはすごい人もいるものだと何人かについて感心した覚えがあります。今回はねぇ、、、、、私がある程度歳をとったせいでしょうか、あまり驚きも感心もない。トヨタやJR東海のトップねぇ、、、、某エリート中高一貫校設立じゃあるまいし。

 まあ、詳しくは一般マスコミにまかせるとして、ちょっと裏から見たお話。

 座長の野依氏は、文科省の中教審委員でもあります。百ます計算の陰山氏も中教審義務教育特別部会の委員だった。陰山氏などは学校現場の立場を踏まえながらも、文科省支持の姿勢が最近はみられます。野依氏は、中教審で全く存在感が聞こえてきませんが、まとめ役ができるのかどうか。

 ワタミの渡辺社長は、郁文館を買いとった私学経営者でもありますが、教員を自分の居酒屋で研修させたりするなど、企業的な人事研修、人事評価を導入している人です。まあ、教育はサービス業であるという人。

 小野元文科省事務次官は、すこし面白い人選。文科省トップだったということで批判もありますが、じつはこの人は文科省の中では傍流。「ゆとり教育」に対する危機感から、自分の言うことを聞かない省内を動かすために、いわゆる「ゆとり教育」批判をあおる情報をマスコミにリークし、トップ自らが陰から文科省の政策を強引に転換させるというウルトラ級の裏技を使った人です。決して文科省の利益代表ではないと思います。ちなみに、事務次官退任後直後に、教育基本法改正を答申させるだけのために短期間だけ中教審委員に就任したという異例の経歴もあります。

 ヤンキー先生こと義家氏ですが、この人の発言や書いたものを見ると、意外なことに「ゆとり教育」や「個性化教育」を掲げる文科省に近い発想をしています。もしかしたら、文科省の強い味方になる可能性もあるかもしれません。

 教育ライターの品川氏、、、、私、この方と一緒にお酒を飲んだことがあるのです。腰痛持ちです。それはともかく、どんなつながりでこうなったかは知りません。いわゆるADHDやLDなど軽度発達障害に対する取材を重ねており、その関係の団体や保護者からは歓迎の声が上がってるようです。

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「教育再生会議 設置とメンバー決定」
「なんだかんだと言われても〜」・・・決まっちゃったんですね(^_^) ...続きを見る
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2006/10/14 22:28
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