斎藤剛史の教育ニュース観察日記

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zoom RSS 日々雑感・いじめをテーマにしない理由

<<   作成日時 : 2006/11/15 14:19   >>

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 いじめによる子どもの自殺が相次いでいる。教育を柱にしているこのブログでも、これほどの問題を取り上げないのはおかしいのだが、、、、私は、いままでいじめテーマを取り上げてこなかった。今回も、いわゆる分類「雑談」でお茶を濁したい。

 ○「いじめ」なんてなくならない。
 子どもは残酷なものだという認識が私にはあります。私はどちらかと言えば、いじめられっ子の方でしたが、では私がいじめや差別をしなかったかと言えば、そんなことはない。50年近く生きてきて、とりたてて人の道を踏み外すようなことはしなかったと思う私でさえ、こんなものです。

 学校が社会の縮図である限り、「いじめ」はあります。それを根絶しようというのが、そもそもの間違いなのです。だから、私は真面目な顔をして「いじめをなくそう」とか言うのが嫌いです。

 もし、いじめ対策として必要なものがあるとすれば、「いじめにあっても生き延びる方法」を教えることだと思います。もっとも、これは現代の子どものほとんどが実は別の形で身につけています。それが、無関心や加害者への加担、多数派から外れないための気配りなどになっています。そうではなく、もっと具体的なサバイバルの方法を教えるべきでしょう。


 ○「いじめ」を論じることでは「いじめ」は解決できない。
 私が不思議に思うのは、これほど学校のいじめが深刻なのに、国や地方の予算を使って、子どもたちに細かく目配りができるように教員一人当たりの子ども数を減らそうとか、スクールカウンセラーをすべての学校に常勤配置しようとか、スクールポリスを設置しようとかいう声が役所や一般社会から全く聞こえてこないことです。

 いじめをなくすために教員を増やそうなどと言うと、組合の手先、たかり公務員の犬みたいなことを言われます。

 いじめの問題が構造的なものであるならば、対処療法で解決できるはずがない。「いじめ対策」と銘打った時点で、それはもう無駄なのです。

 いじめの問題を解決したいと社会全体が思うならば、予算を使ってインフラを整備するしかありません。

 ちなみに、教育改革の成功例の一つといわれているデンマークでもいじめはあるそうです。

「デンマーク教育環境センターの調べでは、4年生から10年生までの生徒を対象に行ったアンケートで、過去2ヶ月の間に、18%の生徒が、ひとりあるいは複数の生徒からいじめを受けていると回答し、17%の生徒がいじめに加わったと回答したそうです。また、41%の生徒が1回あるいは数回、他の生徒が誰かをいじめている事実を知っていたが、止めることができなかったと答え、23%の生徒が先生はその実態を知らないと思う、と回答したそうです」(村上龍事務所のメルマガ、高田ケラー有子『平らな国デンマーク/子育ての現場から』より)


 ○言ってはいけないことがあるのがつらい。
 これは、マスコミや教育関係者だけでなく、すべての人に当てはまるのですが、「いじめ問題」では、絶対にいってはならないことがある、、、、、、

 でも、これは言ってはいけない。社会には「思っていても実際には言ってはいけない」ということがある。それを平気に口にするようになると、社会が壊れていく。

 でも、こんな問題はえてして、安易な犯人探しにつながつていくものです。批判しても絶対に怒らないところ、そこを批判していればもっともらしいことが言えるところ、、、つまり学校。社会的なヒステリーですね。そして、問題は実は収まっていなのに、マスコミが問題を扱うのに飽きると、社会は関心をなくし、その問題が終ったかのように感じる。


 行政がやるべきことは、精神論や道徳ではない。それは家庭や社会にまかせるべきです。

 「いじめ」をなくすために本当に行政がやるべきことは、社会が行政に求めるべきことは、教育条件の整備なのです。予算を教員や常勤カウンセラーの増員のために使うことなのです。

 でも、そんな論は誰も面白がらないし、期待もしていない。

 憂い顔、怒り顔ができない私は、結局、この問題を分類「雑談」ですますしかない。

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
私も「いじめ」は無くならないとは思いますが「”今の”いじめ」を減らす事はできると思います。
とりあえず大人から見ても「犯罪」な物は「犯罪」として扱えばいいと思います。

人を増やして目が隅々まで届く様にするべきだと言うのは大賛成です。
ただ現状では人を増やしたとしても粗悪な人材が増えるのではと思います。
他所の教員の方のブログに有りましたがカウンセラー等より弁護士や警察官に常駐してもらう方が
良い気もします。
今、PTAに「”いじめ”対策として監視カメラを設置したい」と提案したら意外に受け入れられるかもしれません。
受け入れられるならこれを機に
「学校では教育に責任は持つが犯罪に関しては校内での証拠保全をするので各家庭で別の機関に解決を依頼する。」
という方針に切り替えるのもいいのではと思います。
間にはまり込み半端な責任を負う事によって権限の無い犯罪の調停をするが故に「犯罪の隠蔽」をしてしまい余計な批判を受けているのが現状でしょう。
Rudo
2006/11/17 13:37
いつも拝見させていただいております。
私は公立小学校の教頭をしております。いじめ問題には,うんざりです。文科大臣が「いじめをしている人はすぐに止めよう」などと訴えているのんきなニュースを見ると頭に来ます。次々教育委員会から流れてくるいじめに関する手紙の内容確認,そのたびに職員を集めて伝達します。すっかりオオカミ少年状態で,またかという印象です。
総理大臣が,同じ党の議員に対していじめをしているのですから,そんなものをなくすこと自体が無理なのです。マスコミがあおればあおるほどどんどん自殺者が増えるだけです。
カルガモは,小さいときから水に漬けないで育てると溺れるそうです。水に濡れて,不愉快な思いをして,それを防ぐために油膜を張ることを体で覚えるそうです。今の子供達は,快適な環境で,嫌なことは避けて通ってくるわけですから,一言言われただけで切れてしまうのは当然ですね。不愉快な思いをすこしずつさせて,免疫を与えることがいじめられて自殺するのを防ぐ最大の対策だと思います。
hide
2006/11/18 08:27
教頭の方の考え方にはビックリです。
すなわち「いじめ自殺を防ぐ最大の対策はいじめ(又は虐待)をすることだ」と同じ意味ですよね。
その理屈で言うならば「校長の自殺を防ぐ最大の対策は学校がマスコミ、保護者、教育委員会から叩かれる事で、それが免疫をつける事になる」と同様で有るのでは?
あと1歩で校長先生になられる可能性をお持ちのようなので是非見本を見せていただきたい。
犯罪の隠蔽、幇助、教唆にならない程度に頑張ってください。
ちなみに「オオカミ少年」問題はきちんと現状を把握していれば「うちは完全に把握しているので問題ありません」と答えれば宜しい。いじめ自殺が起きるならばそれはいじめが長期にわたっていたという事で無視しつづけた者たちの責任でしょう。
Rudo
2006/11/18 11:14
なるほど,そう受け取られる可能性があったのですね。ちょっと,盲点でした。毒をもって毒を制すというつもりはありません。長期的に同じ行為が続く状態は見過ごすつもりはないし,その兆しがあるものには速やかに手を打っています。いじめ調査を教育委員会からするように言われ,全校生徒に実施しました。それを報告するのですが,その文言が低学年から高学年まで一緒なものですから,とんでもない結果になっています。こんな解答をそのまま出して一体何になるのかと思いますが,まあ,出せと言うので出します。
完全に把握しているので問題がありませんなどとは言えません。そんなことを言ったら,それこそ嘘になります。800名の子どもにいじめがあるかどうかなど,完全把握はできません。それこそ,家庭からの情報を全部寄せてもらっても無理でしょう。
hide
2006/11/18 20:16
Rudoさん、hideさん、コメントありがとうございます。結局、お二人とも一片の役所の通知や学校に煩瑣を強いるだけの調査でいじめはなくならいという考えは共通しているのではと思います。

いじめの問題が難しいのは、いじめられたと感じたら、それがどんな行為でもいじめになることです。いじめは、犯罪だというと少し違うような気がします。いじめは悪いことですが、全部が犯罪になるとは限らない。例えば、無視などはいじめですが、すぐには犯罪にならない。

でも、現在の子供がいじめと感じるものをすべて排除しようとしても、それは不可能だし、もし可能だとしても社会に出てその子はどう生活するのでしょうか。

陳腐な言い方しかできないのですが、家庭や学校で善悪を教えていくしかない。そして、いじめをできるだけ発見し、対応できるように人を増やすしかない。そして、常に子供が安心して訴えることのできる逃げ場をつくっておく。要するに本当に困った時には絶対に助けてくれると、大人が子供に信頼されることが基本なのだと思うのです。
カラ
2006/11/20 01:06
はじめまして。いい内容でしたのでTBさせていただきました。
僕も「逃げ場」を確保することは非常に大切だと思います。
オカダ
2006/12/01 19:23
朝日新聞で、魚くんがコメントしていた、いじめについての記事が印象的でした。狭い水槽の中にたくさんの魚をいれると大勢が1匹を追い掛け回し、いじめのような行動をとるというものです。いじめられている1匹を水槽から取り除いても、またあらたな1匹がターゲットにされてしまう。しかし、広い自然の中ではそのような行動は見られない。ちいさな小競り合いでなく、執拗に1匹を追い回すというような異常な行動は、物理的環境、または精神的な環境の空間が、人間の許容範囲を超えて狭められたときに起こるのではないか、考えさせられる内容でした。私が、感じるのは、親が必要以上に子供の生活を干渉していることです。友達関係に入り込み、郊外授業(遠足)等でものぞきにくる。大人の目から見て思うような行動が取れていないと、逐一指示してしまう・・。よい水槽、環境とは?その子がその子らしく、間違いを繰り返しながら生き方を獲得していく機会が失われてしまっている。監視の目を光らせるという提案もありましたが、いろいろな目が行き届きすぎているときに息苦しさが生まれるということもあることを、提案致します。



ロク
2007/11/30 10:21

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