斎藤剛史の教育ニュース観察日記

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zoom RSS 教委制度改革の論点

<<   作成日時 : 2007/02/15 17:30   >>

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 前のエントリーで内閣府の規制改革会議がいじめによる就学指定校の変更を認めない教委の実名を公開する方針というニュースについて、これは教育再生会議の教委改革を後押しする狙いがあるのではないかと書きました。ところが、今日は朝日新聞に内閣府の規制改革会議と教育再生会議が対立しているというニュースが載っています。いやはや、、、

○教育再生会議案に規制改革会議から異論 「分権に逆行」(朝日新聞02月15日)

 記事の内容は、教育再生会議の教委改革案は、文科省の権限強化につながり地方分権に逆行するという意見書をまとめたというもの。昨日の今日で、こうも私の見方をタイミングよく否定されると「誰かの陰謀だぁー」と言いたくもなりますが、要は私の見方が甘かったということです。どうも私は教育再生会議が好きではないので、そのへんの偏見が入ってしまったのでしょう。

 ただ、規制改革会議とは別筋のリークで、やはり教育再生会議を支援するために先の教委実名公開のニュースが流れたという疑念も完全には捨て切れませんが。

 で、規制改革会議の意見書の実物はこちら

 ここで現在の教委改革の論点を整理しながら、それぞれの役所などの考えを整理したいと思います。

○教委の必置規制の是非
 現在、教育委員会は地方自治体ごとに必ずおかなければならないことになっています。
 文科省=教育行政の独立性確保のために必置規制は必要。
 規制改革会議=教委の設置は各地方自体の判断に任せるべきだ。
 教育再生会議=必置規制の撤廃検討を挙げているが、いじめ自殺・未履修問題などを背景に教委権限の強化を打ち出していることから教委の存在を前提としていると思われる。
 全国知事会=教委設置を選択性に。


○国の監督権強化の是非
 現在の文科省には教委に対する監督権限はありません。
 文科省=市町村教委の権限強化と同時に国による義務教育の質の保証という緩やかなシステムを構想。ただし、現在の考え方は不明。
 規制改革会議=保護者・子どもの権利を守るために国に一定の担保措置は必要だが、文科省の行政裁量的な上意下達システムの弊害を助長することがあっては断じてならない。
 教育再生会議=国の監督権の強化を図る。報告書の文脈から文科省の権限強化と読み取れる。


○採用・人事異動などの教員人事権を都道府県から市町村に移譲する
 文科省=当面、中核市に限り移譲する。
 規制改革会議=早急に市町村に移譲する。
 教育再生会議=極力、市町村に移譲する。
 都道府県=市町村への移譲には反対。
 政令指定都市・中核市=市町村の移譲には賛成。
 市町村=財政力のある自治体に優秀な教員が偏るなどの懸念もある。財政力のある市町村は賛成、逆に財政力のない自治体は反対もしくは慎重論。


○教委の能力を向上させるため小規模市町村の教委を共同設置にして広域化する
 文科省=小規模教委の広域化を何度も中教審は答申。
 規制改革会議=言及なし。
 教育再生会議=5万人以下の市町村は教委を共同設置とする。


○教委に対する第三者評価の実施
 文科省=これまで検討したことはない。
 規制改革会議=都道府県教委が市町村教委の外部評価を行うのではなく、学習者サイドに立った「第三者評価」が必要。教育行政省庁から完全に独立した機関で実施すべきである。
 教育再生再生=都道府県教委に外部委員会を設置し、市町村教委や都道府県教委の外部評価を実施。また国または独立行政法人が都道府県教委の外部評価を実施。


 まあ、以上のように整理できるかと思います。で、また懲りずに当てにならない御託を並べると思われるでしょうが、こうしてみると規制改革会議というか内閣府の見解には、どうも衣の下に鎧が見える気がします。

○やはり内閣府は教委行政を取り込もうとしているのではないか。
 教委の必置規制撤廃など内閣府は文科省と対立しているわけですが、規制改革会議の意見書のはしばしに、教委制度の改革を認めると同時に文科省をけん制する部分が目に付きます。でも、国や独立行政法人による教委の監督や外部評価は、否定していない。

 となると、それはどの省庁がやるのか。教育行政省庁はいけないと内閣府の規制改革会議は言う。では、残る省庁は、、、、、内閣府?

 どうも思いつきだけで突っ走る教育再生会議を挟んで、文科省と内閣府がそれぞれの思惑で動いているというのが本当のところなのかもしれません。


このほか、教委制度改革についての関係団体の動向などでは次のような記事があります。
○教育再生会議:第1次報告案 府教育長「対症療法的内容目立つ」 /京都
○教育改革:教委設置は選択で 全国市長会が提言
○教育委員長協:教育再生会議の公開などを要望
○教育再生会議:県教育長が苦言「現場の意見聞いてない」 /神奈川
○教育改革:教育委制度の改正論議が本格的スタート
○教委改革の議論スタート=中教審分科会
○教育委員会改革、法改正難航必至




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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
やはり内閣府は教委行政を取り込もうとしているのではないか。
とありますが、取り込んでどうしたいのでしょうか。

ところで、昨日、教職員日本共産党後援会代表から
県選挙の投票依頼の封書が来ました。以前から不思議に思っていたのが「なぜ、教職員が共産党を応援しなければ行けないのか?」です。ここは民主主義自由主義の国なのになぜその国の教師が共産党を応援しなければならないの?と。こういう矛盾をどこかで解消したいための教育再生なのでしょうかね。
so
2007/02/15 21:48
自分の縄張りを広げたいというのは、上は政党・中央官庁から下は暴力組織まで、組織というものの持つ本質です。現在は、文科省対内閣府という場面が多いですが、かつては文部省対通産省という争いが多かったですね。

次に、教員の政治活動は法律で禁止されてますが、個人レベルの活動までは禁止されているわけではありません。日本では共産党は非合法団体ではないので、それを応援する人がいるのも自由であると言えるのではないでしょうか。
カラ
2007/02/17 14:46
個人的な応援の自由は分かるのですが私の住所を教員という立場を使って調べ、そして、共産党の応援に使うと言うことが不愉快なのです。どうせなら、共産党ばかりでなく民主党自民党、などからも来てよいと思うのですが絶対に来ません。
so
2007/02/17 22:02

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