斎藤剛史の教育ニュース観察日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 教員免許更新制Q&A 免許更新講習について

<<   作成日時 : 2007/08/19 17:17   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 6

ごぶさたしてました。近況報告ですが、週のうち3日程度は助っ人の日雇い編集者として会社員のような仕事、残りはフリーライターとしての従来通りの仕事をするという日々です。そろそろ少しずつ更新していこうかと思っています。

で、再開第一弾としては誠に不適切なテーマなのですが、現職教員または教員志望者以外の人には縁のない話、教員免許の更新講習についてです。

文部科学省主催の更新講習説明会を取材してきました。日刊紙では朝日が取り上げていますね。
「教員免許の更新講習は「双方向評価」 文科省が方針(8月12日)

文科省もホームページで更新講習の説明をしていますが、私が取材した範囲内でのことを私の主観で書いておきたいと思います。よって、文責はすべて私にあります。


私家版 教員免許更新制Q&A−−どうなる免許の更新講習

質問 教員免許の更新制はいつから始まるのですか?
回答 2009年度からです。


質問 改正免許法施行後の免許取得者が10年ごとに更新するのはわかりますが、それ以前に教員免許を取得しているものはどうするのですか?
回答 文科省は非常勤講師を含む現職教員について、生年月日により一律に免許更新講習の実施時期を定めることにしています。
    説明会では例として「35歳、45歳、55歳」が現職教員の免許更新時期と例示されました。これはあくまで例示ですが、合理的に考えてもこの年齢しかあり得ないので、ほぼ間違いなくこの年齢が現職教員の免許更新時期となります。
    よって、早ければ2009年度に35歳、45歳、55歳になる現職教員は、2009年度に更新講習を受けることになるでしょう。ただ、更新講習は2年間で受ければよいとなっているので、最初の2009年度は2010年度に35歳、45歳、55歳となる人、つまり34歳、44歳、54歳の人間が対象になるかもしれません。
    このうち55歳での講習には疑問を持つ人もあるでしょうが、これは定年後の再雇用を想定したものです。都道府県教委から定年後5年間程度の再雇用時に教員免許が失効することがないようにしてほしいとの要望が出されていました。


質問 更新講習のどの程度の時間なのですか。また受講は、職務命令なのですか。
回答 更新講習は年間30時間程度と法律で定められています。ただし、更新年度の一年前から受けられるようになるので、実質的に更新者は2年間をかけて30時間の講習を受けることになります。2年間で更新講習を修了できなければ、免許が失効し自動的に現職教員は失職となります。
    更新講習は、授業などの業務に支障の出ないよう夏休みなどの長期休業中、土・日曜日、夜間などの開催が想定されています。免許更新は個人の理由によるものなので、職務命令は出ません。ただし、長期休業中などの平日に講習を受ける場合は、職務専念義務免除いわゆる職専免が適用されます。また、休日や職専免での活動なので講習中の事故は公務災害にはなりません。


質問 複数免許を持っている場合、更新も複数するのですか?
回答 一番新しい免許の取得日が更新の起算日になります。それによって更新講習を受ければ、すべての免許が更新されます。
    よって、現職の教員は、改正免許法が施行されてから一つ新しい免許をとれば、むこう10年間は更新する必要がなくなります。まあ、あくまで机上論ですが。

質問 講習はどこで実施されのですか?
回答 実質的に教職課程を持つ大学です。改正免許法では、都道府県教委の教育センターなどでも講習会ができると解釈されます。これによって、経験者研修のように対象者に教委が一律に日時と場所を指定するので、これまでの官製研修と変わりらないと思っている人や組織もあるようですが、それは間違いです。
    説明会の中で文科省の教職員課長は、「都道府県や教育センターには一切期待していない」と断言する一方で、大学に対して非常に強いプレッシャーを掛けていました。
    一部、いやほとんどの私立大学は、更新講習を「国立大学や養成系学部を持つ大学の仕事」と決め付け、やりすごそうとしていたようですが、文科省は教職課程を持つ大学のうち更新講習を実施しない大学は名前を公開すると説明(恫喝?)していました。
    また、更新講習の実施には文科省の認可が必要ですが、教育センターなどの既成の教員研修のようなものは「絶対に認可しない」と言ってましたね。


質問 講習の内容はどのようなものなのですか?
回答 教員の使命感、時代の要請に応じた課題など「必修」となる部分、各免許の教科専門や年齢に応じた課題など「選択」になる部分とに分かれます。具体的には中教審で審議されています。


質問 免許更新講習は教委が受講指定しないのですか?
回答 たぶん、しません。文科省の説明会で、都道府県教委に負担を掛けるのは、免許管理と更新対象者の把握だけだと説明されています。つまり、講習会の選定や指定などの手間は教委にはかけいなということです。
    よって、免許更新対象者は、自分で各大学の講習内容を吟味して、自分で申し込みをしなければなりません。文科省は、すべての大学の更新講習の内容・日時などをホームページで提供することにしています。それを見て個人が自己責任決めることになるのでしょう。


質問 最初の更新講習は、10年目研修で一部代替できると聞いたのですが?
回答 間違いです。中教審答申ではそのようなことが盛り込まれていましたが、方針が変更されたようです。文科省は既成のいかなる教員研修も更新講習の代替には使えないと説明しています。


質問 更新講習を受けなくてもよい教員がいるのですか?
回答 管理職、指導主事などは更新の対象外となります。要するに大学からの要請を受けて更新講習の講師になれるような人材は、更新の対象としないということのようです。
    また、優秀教員の表彰を受けた人間も更新講習は免除されますが、その効力は一回限りという説明でした。


質問 受講者が更新講習の内容を評価すると新聞にありましたが本当ですか?
回答 本当です。文科省は更新講習の質を保証するため、受講者に講習ニーズの事前アンケートを実施して講習に反映させるほか、事後アンケートで講習内容を評価させるように義務付けると大学に説明しています。
    特に事後アンケートの評価は、ホームページで大学ごとにすべて公開することになっており、更新対象者がどの大学でどんな更新講習を選べばよいかの参考資料にすることを狙っているようです。


質問 一つの大学で更新講習を全部済ませられるのですか?
回答 大学によります。文科省は更新に必要なすべての科目を全部開催する必要はないと大学に説明しています。つまり、30時間の必要な単位をすべて揃えて講習会を開く大学もあれば、専門科目のみの講習会、生徒指導のみの講習会を開く大学もあるということです。


質問 更新講習の成績が悪いと免許更新できないのですか?
回答 できません。法律では更新修了の認定を必要とするとされています。講習修了の認定基準は現在、中教審で審議されています。具体的には、文科省が修了認定の基準を省令などで公布するとともに、認定マニュアルを作成し、それに基づいて各大学が修了認定することになっています。つまり、教員免許の更新を認めるのは、都道府県教委ではなく講習を開催している大学だということです。
    ただし、文科省は「普通に受けていれば、修了できる内容」だと更新講習について説明しています。おそらにく、よほどのトラブルでも大学との間に起きない限り、修了問題は起きないのではないでしょうか。大学だって、修了を認めなかったのはおかしいという訴訟が起きることは避けたいでしょうから。


質問 へき地勤務など大学での講習に行けないような者はどうなるのでしょうか?
回答 これは文科省でも頭の痛い問題のようです。具体的には、インターネットなどを活用した通信制の免許講習会を大学に開かせることで解決しようとしているようです。


質問 更新講習の費用は公費ですか?
回答 自己負担です。しかし、現職教員については、法律で後から更新を義務付けたいわゆる不利益変更の形になるので、文科省としては何らかの予算措置をしたいという方針です。問題は、それを財務省が認めるかどうかでしょう。私は、期待薄だと思います。

質問 ペーパー教員は免許講習会に参加できなととのことですが、教員になろうと思っているペーパー教員はどうなるのですか?
回答 ペーパー教員の講習会からの締め出しは、実務的な問題でいたしかないようです。私個人としては、非常に疑問ですが現実問題としてそうなるので仕方ありません。
    非常勤講師などを含めて教員採用が内定している者、教委や私立学校、私学団体などが作成している非常勤講師候補者リストに名前が掲載されている者は、講習を受けることができるようになります。
    今後、都道府県教委は、市町村や学校などの要望を受けて登録リストの作成を開始することになるでしょう。
    ただ、問題は私立学校です。東京都のように私学団体がリストを作成しているところはよいとして、そうでないところは困るでしょう。私立学校が個別に作成したリストの集約などできるのでしょうか。課題は多いですね。
    いずれにしろ平成31年度には、現在教員免許を持っているペーパー教員のほとんどの免許が一斉に失効することになるでしょう。


質問 非常勤講師候補者リストに載っていないが、急に採用が決まったという場合はどうするのでしょうか?
回答 都道府県教委は、臨時免許を出せばよいと考えていたようですが、それは駄目だと文科省に説明会で釘を刺されました。少しでも可能性のあるものはリスト搭載しておけというのが文科省の考え方です。
    ただし、どうしても対応できない場合があるため、文科省はそういう人間を対象にした1〜2週間程度の「短期促成講習会」というのを検討しているようです。


質問 実習助手、寄宿舎指導員など教員身分でない者が教員免許を持っている場合、どうなるのでしょうか?
回答 教員ではないので更新講習を受けるために職専免扱いはできないというのが文科省の説明です。要するに自分で勝手にやれということですね。




ブログ再開のしょっぱなから、このように一般向けでない内容になり、申し訳ありません。これからできるだけ更新していきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
講師にとっての教員免許更新制
「教育観察日記」を読ませていただきました。 http://cala99.at.w ...続きを見る
太子堂教室日記
2007/08/21 20:50

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
貴重な情報ありがとうございました。
読みながらズシンと心が重くなりました。僻地にいると講習はかなり(交通費なども含めて)金銭的に負担になりそうです。
七星 来人
2007/08/19 22:56
カラさんのB社の記事も読みました。
裏記事的な匂いもしますが、このQ&Aはとてもわかりやすいです。

ちょっと疑問だったのが、私は小中高校と免許をもっていますが、そういった免許全てが一回の同じ時間数の講習で更新されるようだということです。
yo
2007/08/20 22:52
素朴な疑問ですが、塾の講師等、民間の教育産業従事者はどうなるんでしょうか。免許を持っている人でも失効してしまいそうですが、代表者に免許(国が定めた一定の履修経験)を求めたりしないんでしょうか。会社首になったら塾(の講師)でもやろうと思っているだけに不安です。
mamito
2007/08/21 00:21
みなさまコメントありがどうございます。
七星さん、やはり教員にとっての負担は重いと思います。
yoさん、文科省によるとすべての保有免許は一度に更新できるそうです。ただ、特別支援教育免許なども一緒に更新してよいかどうかは議論が残っているようです。
mamitoさん、残念ながら塾や予備校に教員免許はいらないから対象外ということです。ただ、履歴書には免許は失効中だがいつでも回復可能であるという書き方ができるようになりそうです。

カラ
2007/08/21 01:35
非常勤講師をしているおばさん講師です。
わかりやすい詳しい情報ありがとうございます。
私のような講師にとって、かなりショッキングでした。。。。
トラックバックさせていただきました。
SUGI
2007/08/21 20:54
SUGIさん、コメントとTBありがとうございます。既に非常勤講師を何度もなされているようなので、たぶん候補者リストに掲載され、確認期限の対象年齢になったら更新講習の通知がくることになると思いますよ。もし、現在55歳以上でしたら平成31年までは免許は有効なはずです。
カラ
2007/08/22 11:29

コメントする help

ニックネーム
本 文
教員免許更新制Q&A 免許更新講習について 斎藤剛史の教育ニュース観察日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる