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今回取り上げるのは地味なニュース。でも、この影響はもしかしたらかなり大きいかもしれないと私は思います。 ○大学評価で統一基準を研究(読売新聞1/13) OECDの非公式教育相会議が東京で行われ、「高等教育の成果の評価」について国際的統一基準をつくり大学評価を行うための研究をすることで合意したというニュースです。 地味です。ほー、そうですか、、、、で普通なら終わりです。でも、、、、、もし、これが実現すると一番影響というか被害を受けるのは「日本の大学」だと私は実は思っています。施設や設備などの教育条件の評価ではなく、学生の教育成果という基準で見た場合、世界レベルの高等教育水準に達する学生を送り出していると胸を張れる大学が、いったい日本に何割あるでしょうか。 ○大学教育の質の保証をあせる文科省 確かこの問題は、アラブの王族など金持ちの子女に学位を乱発する大学が西欧で増加していることが発端だったと記憶しています。しかし、一般的には、西欧などの各国では大学進学率自体が低いのでさほど問題ないでしょう。大学進学率が高い米国では入るのは簡単だが出るのは難しいという『厳格な成績管理』が一般的に導入されており、教養教育、研究者養成、専門家育成など大学の機能分化も進んでいるので大丈夫でしょう。しかし、日本の大学はどうでしょうか、、、、、、。 文部科学省の中央教育審議会は昨年、「学士力」などの言葉がマスコミで話題になった学士課程教育の質の保証に関する報告をまとめています。この背景には、現役大学等進学率が昨年春に初めて50%を超えたという大学教育のグローバル化という問題がありますが、国際的な大学評価の動きも念頭にあったはずです。このままいけば、日本の大学教育に対する世界的な信頼が失われかねないという、、、、、、。 ○大学に巻き込まれる高校教育 しかし、ことは大学教育の質の向上というだけにとどまりません。中教審の大学分科会では「高校教育の質の保証」も検討テーマの一つになっています。また、一般には報道されていませんが、同じ中教審の教育課程部会でも「高校教育の質の保証」がテーマとして議論されています。ようするに、日本の大学教育の質を向上させるには、大学だけではなく高校教育にまで手を入れないといけいなという認識が中教審、つまり文科省にはあるのです。 では、高校教育の質を上げるにはどうするか。ずばり、大学を受験するために資格制度を導入することです。結局は批判が多くて第三次報告には盛り込まれませんでしたが、昨年末に教育再生会議で議論された「高卒テスト」ですね。 ひねくれた私は、「高卒テスト」の議論は、世論の反応を見るためにわざと文科省の事務方が教育再生会議に持ち込んだのではないかという全く根拠のない妄想までしてしまいます。 ○行き着く先は後期中等教育の複線化か 中学校卒が入る5年一貫の高等専門学校(高専)があるものの、日本の後期中等教育は高校という制度にほぼ一本化されています。実際は、学力、進路などにより同じ学校として議論できないほど高校は多様化しているのですが、高校を卒業すれば大学受験ができるということに変わりはありません。 現在の大学が仮に何割かが経営的理由で淘汰されたとしても、現役高校卒の50%が大学等に進学する現在の状況が続く限り、大学教育の質を向上させることは難しいでしょう。米国のような「厳格な成績評価」は日本の風土に合いません。 となると、大学受験者を絞らなければならない。しかし、同じ高校教育を受けながら、大学を受験できる者とできない者が分かれる大学受験資格試験のようなものも、はやり日本の風土に合わないことは昨年末の教育再生会議の議論やそれに対する世論の反発で明らかです。 では、どうするか、、、、、、後期中等教育を複線化し、大学進学を前提とする高校、専門的な技能者養成の職業学校に再編していくことではないでしょうか。 いますぐというわけではありません。しかし、あまり遠くない将来、後期中等教育の複線化という課題が出てくると私は思います。その発端が、もしかしたら今回の国際的な大学評価の話ではないかというのが私の考えです。 そのように考えると、 ○工業高や商業高、5年制職業校に再編…政府・自民が検討(読売1/8) 職業高校を統合して5年制の職業学校をつくろうという上の記事のについても、単なる職業教育の活性化などというのとは違った読み方ができると思います。 大学の国際的な質の保証という世界的な要請を前にして、日本の教育は @18歳で一斉に大学進学することをやめて、多様性な年齢層を相手に機能分化した大学・大学院が厳格な教育を行う米国型 A進学か職業かという階級制度のなごりを残した複線化された後期中等教育を持つ西欧型 のいずれかを選択するか、あるいは日本独自の方法を新たに見つけ出すことを迫られているというのが現状なのではないでしょうか。 |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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私の住んでいるところは田舎なのですが、普通高校が公立二校、私立二校、そして、商業高校と工業高校がそれぞれ1つずつありますが、少子化(またかといわれるかもしれませんが、本当なので・・・)の影響で、工業高校はかなり定員割れが生じていますし、商業高校はそもそも定員がかなり少ないです。そして工業高校からも大学に進学する生徒が少数ながら確実にいますし、専門学校などの進学率は高いようです。 |
かかか 2008/01/15 20:54 |
「職業高校を統合して5年制の職業学校」この記事を見て今更なぜだろうと思っていましたが、理由が分かりました。私は、高専出身者です。現在の高専の現状は、高校大学の一貫教育になろうとしています。5年卒業後、大学の資格を取れるプラス2年?の延長がなされるようになったと聞きます。 |
so 2008/01/15 22:10 |
連投になってしまってすいませんが。 |
かかか 2008/01/15 23:01 |
高専出身者です。工業高校に勤務したこともあります。私の出身学校では40人中5人ぐらいは1年ぐらいまでに学校(工業)になじめないと進路変更。3年までに5人ぐらい留年。工業高校ではもう少し進路、退学者率が多かった。その分、進路、退学者には生徒指導部なども入ってかなり話し合いをしていました。 |
so 2008/01/20 16:59 |
お返事有難うございます。進路の見通しがつきやすい分、中途退学が起こりにくいのかもしれませんね。 |
かかか 2008/01/23 23:33 |
かかかさん、soさん、コメント遅れまして申し訳ありません。ブログ更新をしばらくしていなかったもので、じつはコメントの管理を今まで忘れていたのです。当ブログはコメントの内容を通常表示しない設定にしてあるもので、うっかりしました。 |
カラ 2008/01/27 01:17 |
「5年制職業高校」について、私的な考察をまとめるためにあちこちネタをさがしていたらこちらに当たりました。現役の高校教師です。とても参考になりました。 |
HOLST 2008/03/11 23:41 |
5年制高校はまだ自民党の一部に案があるというだけで、文科省は直接にコミットしていないようです。 |
カラ 2008/03/12 18:23 |
先だっての書き込みからかなり経ってしまいました。20年間の公務員としての商業科教員から転じ、春から普通科の私立高校・情報科の教員になりました。 |
HOLST 2008/05/22 00:04 |
(続きです) |
HOLST 2008/05/22 00:05 |
5年制高校は現行制度ではできません。学制改正を必要とするので、それに現行の免許法体系を当てはめようとしても意味はないと思います。ちなみに現行制度でいえば、高専教員には教員免許は必要ではありません。また、高校の専攻科の教員にも免許は必要ありません。高校看護科の専攻科では教員免許のない人たちが指導してます。 |
カラ 2008/05/23 16:16 |
さらに5年制高校と高等教育との接続ですが、このことを考えること自体が、5年制高校の趣旨と矛盾しています。5年制高校は高等教育機関に頼らず、初中教育だけで優れた中堅技術者を養成しようというものですから、高等教育への進学を前提すると制度目的がおかくなります。考え方としてはドイツの職業学校みたいなものでしょうか。 |
カラ 2008/05/23 16:22 |
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