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みんなの「高等教育」ブログ


高大接続テストの最終報告の内容

2010/11/21 18:47
気がつけば、1年以上更新していませんでした。
これからも、どれだけ更新できるか自分でもわからないので、いいわけはましせん。

で、一部で話題になっている「高大接続テスト(仮称)」ですが、肝心の最終報告書がなかなか入手できないようです。

文部科学省の研究委託を受けた北海道大学を中心とする研究者グループがまとめたものですが、中身がわからなければ議論のしようもありません。

私大連のサイトにアップされていたものを見つけましたので、紹介しておきます。、、、ここです。

ポイントは、高大接続テストを推薦・AO入試などの「選抜ツール」として使用するのか、高校教育の到達度を証明するための「教育ツール」として位置付けるのか、という点でしょう。

最終報告書の内容は、稀有壮大、だからこそ逆に言えば実現は困難というところでしょうか。
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中教審の高大接続テストって何?

2008/01/27 00:33
 今回は当ブログでは珍しく大学入試関連の話題。

○推薦・AO入試に学力検査導入案 中教審部会が提言へ(朝日新聞1月23日)
○大学入試:AO枠に学力テスト−−中教審提言(毎日新聞)

 大学全入時代を迎えて、大学生の学力保証のために推薦入試、AO入試にも学力検査を実施するなどを盛り込んだ報告を中教審学士課程教育小委員会のワーキンググループがまとめたというニュースです。ネットにはまだ公開されていないので、つてを頼って手に入れました。なんだ、推薦やAOでも学力テストをするのね、、、、、という話ではすまないようです。


○高等教育の質の保証は、高校教育から
 まず、この報告をまとめたワーキンググループの名前が「高等学校と大学との接続に関するワーキンググループ」なのです。

 しかも報告書の中のキャッチフレーズがすごい。私だったら記事の見出しにこれを使いますね。それは『「選抜」から『相互選択』へ」というタイトルです。私立大学の少なくない部分が、学生を入試でえらぶどころか、入試を受けてもらうために必死になっています。いやま、多くの大学は学生から選ばれる立場にあります。要するに報告は、大学入試という「入口」が、もはや学生の質を保証するものとはなり得ないという現状を踏まえて、書かれているのです。

 報告はこう指摘しています。
「高校教育の質の保証・大学の入口管理を(大学)入試機能に依存し続けると、高校教育・大学教育の双方に大きな影響を及ぼす懸念がある」

 そして、報告は大学教育の質を保証するためには、高校教育の質を上げることだという認識を示しています。


○大学入試は昨春ターニングポイントを超えた
 このような議論が中教審で起きるのは、大学入試が昨年春に大きな曲がり角を迎えたからです。詳しい数字は省略しますが、昨年春に現役生の大学・短大進学率が史上初めて50%を超えました。ある学説にしたがえば、日本の高等教育はマス化からグローバル化(普遍化)の時代に突入したことになります。

 さらに日本私学振興・共済事業団の調査によると、昨年春の私立大学入学者のうち推薦とAOで入学した者の比率が、50%を超えました。つまり、私立大学新入生全体のうち半数以上が学力検査なしで大学に入学したのです。


○高大接続テストは「推薦・AO版統一学力試験」のことだった 
 で、報告はとりあえず現行では学力検査をしてはならないとされている推薦とAO入試に学力検査を導入することもできるようにしようと提言しています。

 しかし、マスコミ各紙が書いている「高大接続テスト(仮称)」の意味がよく分かりません。私は、新聞報道を読んでいてこれは何だろうと思っていました。

 で、報告を読むと、、、、、、、、、『「学力担保」措置として、高校・大学が協力してAO入試や高校の指導改善に活用できる新しい学力検査」と説明されています。

 要するに、一般入試用である大学入試センター試験とは別に、推薦入試・AO入試を受ける受験生用の統一学力テストをつくるということでしょう。

 おそらく、各大学は「高大接続テスト」何点以上などの志願ラインを設定する。高校は、こんな成績では推薦・AO入試に出願できないぞと生徒を指導する、、、、、そんな感じでしょう。

 もちろん、これが実現するかどうかは分かりません。しかし、全国高等学校長協会ははやばやと賛成を表明しました。

 推薦・AO入試で大学に入るから勉強しなくてもよい、、、、とはならない時代がくるかもしれません。しかし、現在の大学、高校にとって、これは諸刃の剣でもありましょう。

 いずれにしても、大学教育の質の確保という中教審の論議は、実は大学や大学入試だけの話ではなく、高校教育をも巻き込んだものなのです。今度の大学改革は、高校改革につながっていくでしょう。
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専門学校と大学は同格に

2005/09/27 13:30
 今回は高等教育ネタです。あまり、皆さんの関心を呼びそうにもないですが、どうしても触れておきたい。ニュースには、必ず報道する側の価値観が入ってきます。ニュースを読むときには、そんな裏を押さえておかないと振り回されることになりす。でも、どんなに価値観が混入されていても報道されるだけましです。問題は、報道されなかったニュースです。

 ニュースとして流された記事をを探して、かろうじて一つ見つけたのですがリンクがありませんでした。
○大学院入学資格も付与
「文部科学省は9日、4年制専修学校卒業者に対する大学院入学資格を付与するよう学校教育法施行規則を一部改正し、施行した」(日本教育新聞9月19日)

 明らかなベタ記事です。書いた記者も載せたデスクも意味がわかっていないのでしょう。文科省は9日、学校教育法施行規則を改正し、4年制課程の専門学校卒業者に「高度専門士」という称号を与え、大学院入学資格を認める、この制度は即日実施すると官報に告示しました。これがどんなことを意味するのか分かりますか。これは大学と専門学校の違いは修業年限だけで、修業年限が同じなら同格だと宣言したのです。日本の高等教育の方針の大転換です。しかし、このニュースはほとんどどこにも取り上げられていない。

 まず、専修学校という言葉から理解しにくいですね。一般的には、修業年限2年以上の専修学校専門課程のことを「専門学校」と呼び、これは高等教育機関として位置付けられています。修業年限2年未満1年以上は専修学校一般課程といいますが高等教育機関には入りません。このほか、授業時間数など制限が非常に緩い各種学校がありますが、専修学校とは別のものです。予備校、自動車免許学校などは各種学校です。

 日本の高等教育機関は、大きく分けると大学、短大、専門学校の3つになります。このうち大学院入学資格があるのは、大学だけでした。もっとも大学院は従来から入学資格にはあまりうるさくないところで、研究成果や能力があれば個別審査によって大学卒業者以外の者の入学も認めてきました。しかし、卒業と大学院入学資格がセットになっているのは大学のみで、ほかの高等教育機関とはあきらかに別の存在でした。

 就業年限が大学と同じく4年制あれば、専門学校卒業者にも大学院入学資格を制度的に認めようという今回の措置は、従来の高等教育の枠組みを大きく変更するものです。個別審査で入学させるのとは訳が違います。逆に言えば、大学とは何なのかということが、改めて問われるということです。私は、専門学校に大学入学資格を与えることがけしからんと言っているのではありません。日本の高等教育の枠組みの変更、おそらく戦後最大の変更が、一般市民に知られることもなく、官報告示だけで行われたというところに問題があると思うのです。まあ、制度改正に当たっては、中央教育審議会が答申を出しましたが、これもほとんど報道されませんでした。

 現在、4年制専門学校の学生は約4万人で、理工系や情報系が大半です。この人たちに大学院入学資格を与えても、高騰教育の大勢に影響はほとんどないでしょう。ですが、今回の制度改正を受けて、専門学校の中には早くも4年制課程の開設、独自の大学院の設置に向け準備を始めたところが出てきました。会計や経営などもともと専門学校が強かった分野では、これから4年制課程の卒業者を自前の専門職大学院に入学させ、MBA資格を取ることができると宣伝する専門学校が出てくることは間違いないでしょう。(注・既にできています)。

 はっきり言って、専門学校の一部は、へたな大学よりもレベルが高く、財政力もあります。就職率も大学など目ではないというところも多いです。大学全入時代を迎え、全体の3割が定員割れで悩む大学は、大学と同格であると認められた4年制専門学校という新たな競争相手とも戦わなければいけなくなりました。まあ、サービスの受け手からみれば、それだけ選択肢が増えたということではありますが。高校関係者やこれから高等教育機関に進学する子どもを持つ保護者は、4年制専門学校は制度的には大学と同格だということを知っておいた方がよいでしょう。


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