これは全国学力テストの強制が狙い?

 教委制度改革のための地方教育行政法改正について、資料を調べていたらちょっと気になるものを見つけました。以前に眼を通していた資料なのですが、見落としていたようです。

 ○地方教育行政法改正の方向について(文科省パブリックコメント募集 2月22日)

 地方教育行政法改正に当たり、文科省が行ったパブリックコメント募集の資料です。

 内容としては、中教審答申、教育再生会議第一次報告などの内容を並べたもので、この中には既に中教審と自民党で削除することが決まっていると都道府県教育長に対する文科省の承認権、私学に対する教委への指導権限付与なども入っています。

 まあ、パブリックコメント募集なので、これまで提言されたことを全部盛り込んでいるのは当然なのですが、その中に次のような項目があります。

 「教育委員会や学校等の教育機関は、文部科学大臣、都道府県教委が行う調査に協力するものとすること」

 これは、どこから出てきたのでしょうか。中教審答申も教育再生会議第一次報告にもこんな文言はなかったはずです。まあ、文科省や都道府県教委が実施する調査に回答するのは市町村教委や学校の義務みたいなものですから、わざわざこんなことを言う必要はないと見ることもできます。

 それが、地方教育行政法改正の方針の中にわざわざ入っている。

 
 たぶん、これは北海道教組が道教委が実施した「いじめ調査」に回答しないように組合員に指示したこと、愛知県犬山市が文科省の全国学力テストに不参加を表明したことを受けたものでしょう。

 まあ、いじめ調査の回答拒否については、調査方法の問題点など道教組側の言い分もあるのですが、全国的に見ても世論から支持されていないことは明白です。

 しかし、犬山市の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の不参加は、地方分権時代における市町村の在り方を示した一つの見識であると私は思います。

 ですが、この文科省の調査に市町村や学校は協力することとは、裏を返せば拒否は許されないということを意味しています。

 全国学力テストがどのような影響を学校に及ぼすのかは、まだ分かりません。しかし、もしこの方針が条文として地方教育行政法改正案の中に入れられたら、学力テストの弊害が目立つからうちは次回から参加しないということを市町村や学校が言えなくなるのです。

 解釈次第ですが、「学校等の教育機関」には私立学校も含めることができるとすれば、私立学校も全国学力テストに参加せざるを得なくなる可能性も考えられるでしょう。

 それにしても、何気なくこんな条項を入れているところに、文科省の芸の細かさを感じますね。

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この記事へのコメント

今日
2007年03月08日 14:04
全国学力テストがどのような影響を学校に及ぼすのかは、まだ分かりません。しかし、もしこの方針が条文として地方教育行政法改正案の中に入れられたら、学力テストの弊害が目立つからうちは次回から参加しないということを市町村や学校が言えなくなるのです。・・・・・・・

情報有難う御座います。

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