教育改革3法案で中教審が答申

 さて、教育再生会議の第一次報告具体化のための教育改革3法案を審議していた文科省の中央教育審議会の答申が出ました。

 ○教委への国の関与は両論併記、中教審が答申(朝日新聞03月10日)
 ○中教審答申、緊急時は教委に国が指示…首相、法改正へ(読売新聞)
 ○中教審答申:国の「教委への是正勧告」異例の賛否併記で(毎日新聞)

 まあ、あらかじめ報道されていた通りの内容で、いまさらどういうこともありません。答申がまだ文科省のサイトにアップされていないので、細かいことはそれを見た後にまた書かせてもらいます。

 答申の大筋については以前に書いたので、今回は別の視点で少し。教育再生会議が始まってからずっと感じていたことなのですが、今回の中教審答申の強行スケジュールを見てはっきりと思いました。

 それは「教育改革に必要以上のスピード感はいらない」ということです。

 教育改革については、昔からスピードが遅い、審議から具体化までに何年もかかると批判されていました。まあ、その通りでしょう。

 しかし、最近の教育改革は安倍首相をはじめとして政治家はみんな「スピード感を持って」と言うのが決まり文句になっています。

 ですが、そのスピード感のある改革が、思いつきの井戸端会議の域を出ない教育再生会議であったり、選挙向けの人気取りに法案提出ありきで強行審議した中教審答申です。

 
 教育は誰でも関心があり、意見が言える分野です。そして、ゆとり教育批判、学力低下批判、最近では昨年末のいじめ自殺、未履修問題とそのときのムードによって世論が大きく振れます。しかし、経済や外交と違い今日、明日に対応しなければならないという問題は教育改革の面から見ればほとんどありません。その一方で、いったん変えてしまえば簡単に変更がきかないのが教育です。

 例えば、学力低下批判のときには「詰め込み教育論」も結構はぶりをきかせましたが現在、それに賛成する意見はどれほどあるでしょうか。また、小学校の英語教育もひところは社会全体が賛成ともいえるムードでしたが、現在は慎重論が増えつつあります。

 新聞報道をみると、教育再生会議を批判し、その具体化スケジュールを押し付けられた中教審に同情的なニュアンスがみられますが、中教審はこれまでも政治日程に合わせて審議し、しかも文科省の要望どおり答申を出してきました。何も今回に限ったことではありません。

 しかし、唯一中教審の長所として挙げられるのは、審議に時間をかけるということです。そして、その間にヒートアップした極論は冷却され、結論もだいたい落ち着くところに落ち着くという展開をとっていました。おそらく今回の教委制度改革も審議に1年かけていれば、政治や社会の雰囲気も大きく変わり、違う結論が出ていたかもしれません。

 学校現場の対応は、そのとき勝負です。しかし、国による教育行政の改革は、慎重に時間をかけて検討していくべきです。それが、安倍政権による「スピード感ある教育改革」から得た私の意見です。まあ、私も歳をとったということなのかもしれまれんが。

 その意味で、教育改革3法案は今の通常国会で無理に成立させず、参院選後の臨時国会へと継続審議にすべきだと思います。

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この記事へのコメント

so
2007年03月13日 17:14
今回の教員免許制の利点について考えてみました。以前カラさんはこの制度が実施されたら大学や教育委員会では教員の人数が多くて対応できないと言われていました。その通りだと思います。では、どうやって対応するかと考えました。簡単な方法は過剰状態の大学に臨時にやらせると言う方法が現実的だと思います。少子化が進む現代どう見ても大学の倒産は免れません。そのスピードを緩める効果が今回の法案にはあるような感じがします。特に私立大学にはもってこいだと思うのです。本市には私立大学が2校ありますが地元民から見て腰掛け大学としか見えません。あってもなくても良い感じです。ただ、更新のために県内の教育大に行くには自動車で片道2時間かかりますので地元の大学でそれが受けれれば大助かりです。カラさんはどう思われますか。
カラ
2007年03月14日 00:36
SOさん、コメントありがとうございます。
講習会場として大学を使うというのはたぶん考えられることかと思いますが、問題は誰が教えるかでしょうね。教員免許更新のための講習ということからも教職課程を持っているだけでは不十分のような気もします。ましてや一般の大学では無理でしょう。誰が何を講習するのか、これは量的、質的共に難しい問題です。

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