日々雑感・時実新子さん氏死去

 川柳の時実新子さんが亡くなられました。川柳という俳句の格落ちのような存在を「文芸」にまで高めた人の一人です。
○川柳作家の時実新子さん死去(朝日新聞03月10日)

 それにしても、いろいろと騒動はありましたがこの人の存在は大きかった。句集「有夫恋」(ゆうふれん)くらいならまだ十分に手に入ると思うので、この機会に興味のある方はらぜひ。

 いくつかその中から紹介しましょう。

 「悲しさにぐしゃぐしゃと顔洗う」
   (誰しもぐしゃぐしゃと顔を洗ったことがどれほどあることか)


 「たわむれに似て真実の手を重ね」
 (偶然のような、何気ないような、手が重なっただけのことだけど)


 「或る決意 動物園の檻の前」
 「孤独きわまり動物園に立っている」
 「別れねばならない人と像を見る」
 (動物園は人生にとってある意味危険なところなのです)


 「手が好きでやがてすべてが好きになる」
 (人を好きになるのに理由なんかいらないのですね)


 「妻をころしてゆらりゆらりと訪ね来よ」
 (すみません、そんな度胸はありません)


 「親は要りませぬ橋から唾を吐く」
 (吐いたはのは決意か、悲しみか、それとも)


 「じゃあというハイという永遠の別れ」
 (「じゃあ」という男、「ハイ」と答える女。暮らした時間が長いほど、別れの言葉は簡単になるものです)


 「愛咬(あいこう)やはるかはるかにさくら散る」
 (これはもう川柳の概念を超越してます。エロスの極みですね)


 ご冥福をお祈り申し上げます。

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  • 有夫恋

    Excerpt: 女性川柳作家の第一人者でエッセイストの 時実新子時実新子さんが亡くなった。 本棚から引っ張り出してきた彼女の句集を 読み返してみた。 ---------------------------.. Weblog: 月灯りの舞 racked: 2007-03-17 22:31