全国学力テストと競争主義・主張編2

 今年最後のブログとなりました。ということで、この問題を片付けておきたいと思います。

 ところで、鳥取県で学テの市町村別・学校別の成績公開を念頭に置いた情報公開条例の改正案が成立したり、秋田県では市町村名を明らかにした成績公開が行われるなど、どんどん公開に向けた動きが進んでいます。

 前回も書いたとおり、学校別・町村別に成績を公開すれば、競争主義により全体の教育がよくなるということは、義務教育単会の公立学校においてはほとんどあり得ません。

 では、学テの成績公開についてどう考えるか。以下が私の提案です。

 ①学テの成績は原則として公開すべきである。
 学テの成績は、間違いなく行政情報です。その公開を拒否するのは時代の流れに反します。


 ②公開は市町村が行うものである。都道府県が行う場合、成績の悪かった市町村に対する補助金などの増額・人員の加配などの施策を必ずセットとする。
 公立小・中学校の第一義的責任者は市町村です。それを差し置いてどうして都道府県が公開できるのでしょうか。そこには、市町村より都道府県のほうが偉いという感覚がうかがえます。
 文科省による公開差し止め要望を地方分権に反すると非難した知事がいましたが、都道府県は市町村をどう扱ってもかまわないと思っているような者に地方分権を語る資格はありません。そのような考え方は、「地方分権」ではなく「中央集県」です。
 また、都道府県が市町村別の成績を公開するのであれば、それは結果の悪かった市町村に対してどういう支援を予算や人員の面で講じるのかという都道府県レベルの施策とセットでやらなければ、あまりに無責任とうものでしょう。繰り返しますが、信賞必罰的なテスト結果の良い市町村を優遇するのでしなく、結果の悪かった市町村を支援する施策が必要です。


 ③市町村は原則として学テの結果を公開すべきだ。さらに、学校別の結果公開は各学校の教育支援方策とセットで行うべきだ。
 行政情報である学テ結果は、市町村が堂々と公開すべきです。たとえ全国平均より低かったとしても、それが事実であれば隠すことはないでしょう。教育行政で市町村が行えることは限界があるという声もあるでしょうが、事実を住民に公開しない自治体が、まともな教育行政をできるとは思えません。客観的事実を公開し、それについてどうするかを示すことが行政の仕事です。
 ただ、各学校別の成績を公開するためには、結果の悪かった学校をどう支援するのかという施策をセットに公開するべきです。



 単に数学・算数と国語のテストに過ぎない学テで、全体の学力は測れるものではありません。しかし、義務教育段階の公立学校教育において、学テ成績の悪い市町村、学校があるというのは致し方のない事実なのです。

 それを公開すれば、過剰な競争主義におちいり学校教育が荒廃するという教育関係者の懸念は当然でしょう。

 しかし、学校不信、教員不信がまん延している現在、情報を公開しないというとこは、学校や教員への不信感を増幅させるだけです。ならば、事実を事実として受け止め、なぜそうなったのかをきちんと分析し、それに対する行政的な対応をすべきなのです。そして、その対応施策とは何度も繰り返しますが、成績の悪かった市町村、学校を支援するものでなければなりません。成績の良かった市町村や学校は、研究指定校にして、大勢が視察に訪れることに対応できる経費をつければよいでしょう。

 ◎地方分権、規制緩和の名の下に、教育予算はどんどん交付税化され、学校現場に回らなくなっています。
 ならば、本当に予算や人員が必要なところ、学校はどこなのか。それを明らかにして、必要なところに予算・人員を回すことが学テの成績公開の意義だと思います。


 もし、それができないまま公開だけが進めば、それこそ百害あって一利なし。即刻、学テは廃止すべきです。


 来年はますます厳しい年になりそうです。それでも願わずにはいられません。どうか、来年は良い年であるますようにと。それでは皆さま、良いお年をお迎えください。
 

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