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教育ニュース観察日記
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主に教育分野を専門にしているフリーライターで、二児の父でもあるカラ(本名・斎藤剛史)です。先生は忙しい、一般の人も忙しい。自分がかかわる学校で手一杯。教育行政なんて関係ない、、、、でも、行政の動きはいつか自分にも関係してきてます。教育行政を中心に日々の教育ニュースを一般のマスコミとは違った視点で見てみます。メールはcala99jp@yahoo.co.jp まで。
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ペーパーティーチャーのための教員免許更新Q&A

2008/04/30 16:20
またまた更新が滞っております。すません。新学習指導要領の移行措置、教育振興基本計画の中教審答申と、突っ込むべき話題はあるのですが、、、、、まあ、近いうちに。

 私は、ベネッセの教育情報サイトにも原稿を書いております。そこで、教員免許更新制の記事について、ベネッセの読者(当然、お母さんたちが多いようです)からいくつも質問のコメントが付いていました。

 考えてみれば、お母さん方は大半が主婦だと思われますが、パートなどに応募するとこの履歴書の「資格欄」に書くことがあるかないかは、精神的に大きな問題なのでしょうね。

 うちのかみさんも、毎回、履歴書に「家庭科教員免許」と書いています。意味もないのに、、、、、

 で、改正教員免許法はややこしい法律で、文科省もペーパーティーチャーに関する広報などはほとんどしていないので、ここでお答えしておきたいと思います。また、私が以前書いたエントリーの中にも、事実誤認、解釈の間違いがあるので、それを修正するという意味もあります。

Q ペーパーティーチャーは、免許更新講習を受けることができないのですか。
 免許更新講習を受けられるのは、現職教員以外では、教員経験者、教員採用内定者、教委や学校法人などによる非常勤講師候補者リスト掲載者などに限られます。つまり、免許は持っているが、教員・講師経験もなく、これから教職に就く予定もないというペーパー教員は、免許更新講習を受講することがではません。

Q 免許更新講習を受けないペーパーティーチャーの教員免許は、失効してしまうのですか。

 2つの場合があります。一つは、平成21年3月末までに教員免許を取得した人、もう一つはそれ以降に取得した人です。後者はまだいないので、前者について説明します。
 結論を言えば、失効しません。改正教員免許法は、改正以前に取得された教員免許状に有効期限を付していないのです。
 よって、平成21年3月末までに免許を取得した人間の免許更新期限(35歳、45歳、55歳になる年度の年度末)がきても、失効することがないので履歴書には「教員免許所持」と書くことができます。

 ただし、免許更新期限が過ぎているペーパーティーチャーが、教員や非常勤講師、あるいは教員免許保有を条件にしている学習塾講師など免許状が必要な職に就く場合、免許更新講習を受けて、修了証明書を免許を発行した都道府県教委に届けなければなりません。

 要するに免許更新期限が過ぎたペーパー教員の免許状は、形として残ってはいるが、有効性がないということです。

 では、平成21年4月以降に免許を取得したペーパー教員は今後どうなるのかというと、改正教員免許法の適用により免許状に一律10年の有効期間が付いていますので、それを過ぎると「失効」します。

 しかし、改正教員免許法は、免許取得のために修得した大学の単位まで否定していませんので、失効しても免許更新講習を受けて修了証明書を都道府県教委に提出すれば、教員免許状を復活させることができます。



 蛇足ですが、教員免許状が失効したペーパー教員の場合でも、免許状を取得したことがあるという事実は残っている上に、必要ならば復活できるのですから、履歴書の資格欄に「教員免許状取得」「教員免許状(要講習」とでも書いておけばよいのではないでしょうか。ウソではないし。
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日々雑感・放置はいかんですよね

2008/04/13 15:21
 またまた長期放置状態を続けてしまいました。いかんですね。

 入学式シーズンも終わり、学校はいずれも新学期の慌しさを迎えているようです。年度替わりを機会に、当ブログも気分一新といきたいのですが、どうなることやら。

 ところで、私の家の隣には高卒者を対象とする3年制の看護専門学校があります。隣なものですから、設置当初からの付き合いということになるのですが、学生を見ていると時代の変化が手に取るように感じられますね。

 創設当初は女子のみの全寮制だった学校も、いまや男女共学で通学生の方が多い。

 何といっても男子の増加は年々目を見張るばかりです。看護婦ではなく看護師という変化はこんなところに確実に出てますね。

 しかも、学生の年齢が上がってきている。もちろん高校新卒が大半ですが、中には子供のいる女性、妻子持ちの男性も学生にいます。30代の男子学生は、会社を辞めて卒業までの生活費は貯金をはたいて資格を取るそうです。

 やはり国家試験の資格職業ですから、食いはぐれがないというところが魅力なのでしょうか。卒業生の看護師の話などを聞くと、そう簡単な職業ではないのですが、、、、


 ところで、何の間違いが文部科学省の協力者会議の委員という仕事?が回ってきました。それも「高校の看護教育に関する検討会議」というもので、これもなんかの縁なのでしょうか。どうやら、医師会や看護協会の役員などの関係者委員に交じって、見当違いの正論を吐いて皆さんをこまらせるのが私の役目のようです(と自分で思っているだけですが)、、、、

 いずれ、文科省の会議の話なども守秘義務などと関係ない範囲で紹介したいと思います。
 
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教員の残業手当報道はたぶんはったり

2008/02/12 03:30
 今回は教員給与のお話です。ただ、今回は関係者向けです。一般の人が読んでもたぶん分かりません。いつか、一般向けに分かりやすく解説したいと思います。

 で、今日のニュースはこれです。
○教員給与に残業手当=教職調整額見直しの方向−勤務時間管理など課題も・文科省
 「文部科学省は9日、公立小中学校の教員給与に、時間外勤務手当を導入する方向で検討に入った。仕事のどこからが残業かを明確に区分することが難しい教員については現行、給与月額の4%を残業分とみなした「教職調整額」が一律支給されているが、同省は勤務実態に応じた公平な配分に改める方針だ。
手当支給により教員の勤務意識に大きな変化が生じることが予想されるほか、学校側が残業時間を厳密に管理できるかといった課題もあり、議論を呼ぶのは必至。同省は、今夏の2009年度予算概算要求までに結論をまとめる。
教職現場では「教員の勤務は自発的なもの」との理念の下、「残業」という概念がない。調整額は、繁忙時でも休職中でも一律支給になっている。同省は昨年、勤務の負担に応じて調整額を増減させる改革案を検討したが、法的な問題から断念。時間外勤務手当に転換する案を軸に、再検討することにした」

○まず教員特別手当の削減を開始
 現行の教員給与制度については文科省のこの資料が詳しい。

 で、現在のところ教員給与は、一般行政職に比べて2・76%と高いと言われており、政府方針ではまずこの分を削減することになっています。

 2008年度の文科省予算案を見ると、とりあえず教員特別手当を2009年1月から「0・8%削減」することが決まっている。ただし、これだけでは削減分を履行できないのですが、教職調整額の見直しは今後どうするかまだ未定というのが現在の状況です。


○教職調整額は一律支給しかできないことが確認された
 教員給与の最大の課題は、本給の4%とされる「教職調整額」をどうするかです。選択肢は二つあります。一つは、廃止。もう一つは、一律支給をやめて職務内容に応じて支給すること。

 ところで、上の記事にあるように中央省庁が「法的に検討した」という場合、多くは「内閣法制局にお伺いを立てた」ということを意味します。

 つまり、内閣法制局が、教員の職務全体に対して残業代の代わりに一律支給されている教職調整額を、個々の教員の仕事量に応じて払うことは法的にできないと回答したと考えて、ほぼ間違いないでしょう。これは非常に大きい。

 要するに、教職調整額を一律支給から個々に応じた支給に変更するという選択肢は消えたということを意味します。

○教職調整額は廃止される?
 となれぱ、教職調整額の廃止しかない。だが、残業代の代わりにの教職調整を廃止すると、当然、残業手当を支給しなければならなくなる。では、そうしましょうというのが上の記事ですね。


○でも残業手当は本当に出せないというのが文科省の本音
 ここで残業手当がつくのかと喜ぶ人もいるでしょうが、おそらくそうはならないでしょう。公立学校教員の時間外勤務は、平均月34時間といわれています。あくまで平均ですが、これに残業手当をつけるとれぐらいの財源が必要になるでしょう。たぶん、教職調整額を一律支給するよりもはるかに多くの予算が必要になるのは確実です。

 教員の給与削減は財政再建の一環として提案されたものですから、残業手当を出すということは、明らかに財政再建に反する。

 ということで、教員給与の優遇分を廃止しろという財務省などに対して、「教職調整を個々に支給率を変えることは内閣法制局ができないといっている。なら廃止するしかないが、残業手当をつけると今より予算が増えるけど本当によいのか」と文科省がおどしをかけているというのが、上の記事のマスコミ的に解釈になります。

 基本的には教職調整額の廃止を回避しながら、教員特別手当と教職調整額をすこしずつ縮減して、できるだけ傷の少ない範囲でこの問題の決着をつけたいというのが文科省の狙いだろうと思います。


(付録)
○2008年度文科省予算案に見る各種手当・給与
 ・新たに導入される副校長の管理職手当は15%(教頭は10または12%)
 ・主幹と指導教諭の本給は、教頭と教諭の間に新しい「級」を設ける
 ・部活動手当(土日4時間以上)は1200円から2400円にアップ
 ・修学旅行引率業務手当は1700円から3400円にアップ
 ・対外試合等引率業務手当(8時間以上)は、1700円から3400円にアップ
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日々雑感・教育ジャーナリストとは

2008/02/06 01:49
 今日は雑談です。同業者の渡辺敦司君が教育時事解説のブログを立ち上げました。当ブログを訪問してくださる変わり者、いや、、、マニアックに方にもお薦めかと。

   ○教育ジャーナリスト渡辺敦司の一人社説


 で、これだけではなんですので、私や渡辺君が名乗っている「教育ジャーナリスト」なる者とは何かということについて、少しお話ししましょう。

 教育雑誌、あるいは一般誌の教育記事の中でたまに「教育ジャーナリスト」という肩書きを見ます。私などもその仲間です。では、これはどんな人たちなのでしょうか。

 ○「記者上がり」
 一番正統的というか、ポピュラーだった存在。全国紙や地方紙などの新聞記者で、教育分野を主に取材してきた人たちが、退職してフリーになったときに名乗る。
 フリーといっても、「元○○新聞」の肩書きは一生ものですから、役所や記者クラブにも自由に出入りできます。記者時代に付き合っていた人たちが役所や関係団体の幹部になっているので、かなり高度な政治的裏情報にも通じています。
 ただし、現在では△△問題一筋何十年などという専門記者を育てるような人事を取ることが少なくなったため、人数は減っています。舞台は、新聞、教育専門誌など。

 ○「フリーライターまたはフリージャーナリスト」
 一番多いのがこのタイプ。普通のフリーのライターやジャーナリストなのですが、教育分野を得意としていて、その注文が多いという人たち。フリーライター、フリージャーナリストという肩書きでもかまわないのですが、特に教育分野に詳しい執筆者なのだということをアピールするため編集部が「教育ジャーナリスト」という肩書きをつけることが多いようです。
 当然、教育だけを専門に書いているわけではなくほかの分野の記事も書いています。舞台は一般誌で、逆に教育専門誌などに登場することはまれです。著書が多いのもこのタイプの特徴です。

 ○「元業界関係者」
 教育専門でも私学情報や入試など特殊分野を扱うことが多いのが特徴。関係団体、関係業界などの出身者が、その経験とコネクションを活用しながら書いている。自分で会社を起こし専門雑誌などを発行している場合もあります。元教員の教育評論家なども、あえて分類すればここでしょうか。
 時としてブラックやグレーに分類される仕事をする人もあり、そのような場合は「業界くずれ」と言います。

 ○「記者くずれ」
 一番、数が少ないタイプ。教育専門紙などの記者経験者で、ほかに食う道がないのでずるずると教育問題で飯を食っているライター。ジャーナリストともフリーライターともいるほどの仕事はしていないが、肩書きがないと困るので編集部が苦肉の策として「教育ジャーナリスト」と名付けた人たち。
 教育専門紙の記者出身でもまれに手広く活躍している人がいますが、これは「フリーライター・ジャーナリスト」の分類となります。
 舞台は、ほとんど教育専門誌のみ。あくまでも「記者くずれ」であり、「記者上がり」でないことに注意。この人たちの言うことは、あまり信用してはいけません。
 
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中教審の高大接続テストって何?

2008/01/27 00:33
 今回は当ブログでは珍しく大学入試関連の話題。

○推薦・AO入試に学力検査導入案 中教審部会が提言へ(朝日新聞1月23日)
○大学入試:AO枠に学力テスト−−中教審提言(毎日新聞)

 大学全入時代を迎えて、大学生の学力保証のために推薦入試、AO入試にも学力検査を実施するなどを盛り込んだ報告を中教審学士課程教育小委員会のワーキンググループがまとめたというニュースです。ネットにはまだ公開されていないので、つてを頼って手に入れました。なんだ、推薦やAOでも学力テストをするのね、、、、、という話ではすまないようです。


○高等教育の質の保証は、高校教育から
 まず、この報告をまとめたワーキンググループの名前が「高等学校と大学との接続に関するワーキンググループ」なのです。

 しかも報告書の中のキャッチフレーズがすごい。私だったら記事の見出しにこれを使いますね。それは『「選抜」から『相互選択』へ」というタイトルです。私立大学の少なくない部分が、学生を入試でえらぶどころか、入試を受けてもらうために必死になっています。いやま、多くの大学は学生から選ばれる立場にあります。要するに報告は、大学入試という「入口」が、もはや学生の質を保証するものとはなり得ないという現状を踏まえて、書かれているのです。

 報告はこう指摘しています。
「高校教育の質の保証・大学の入口管理を(大学)入試機能に依存し続けると、高校教育・大学教育の双方に大きな影響を及ぼす懸念がある」

 そして、報告は大学教育の質を保証するためには、高校教育の質を上げることだという認識を示しています。


○大学入試は昨春ターニングポイントを超えた
 このような議論が中教審で起きるのは、大学入試が昨年春に大きな曲がり角を迎えたからです。詳しい数字は省略しますが、昨年春に現役生の大学・短大進学率が史上初めて50%を超えました。ある学説にしたがえば、日本の高等教育はマス化からグローバル化(普遍化)の時代に突入したことになります。

 さらに日本私学振興・共済事業団の調査によると、昨年春の私立大学入学者のうち推薦とAOで入学した者の比率が、50%を超えました。つまり、私立大学新入生全体のうち半数以上が学力検査なしで大学に入学したのです。


○高大接続テストは「推薦・AO版統一学力試験」のことだった 
 で、報告はとりあえず現行では学力検査をしてはならないとされている推薦とAO入試に学力検査を導入することもできるようにしようと提言しています。

 しかし、マスコミ各紙が書いている「高大接続テスト(仮称)」の意味がよく分かりません。私は、新聞報道を読んでいてこれは何だろうと思っていました。

 で、報告を読むと、、、、、、、、、『「学力担保」措置として、高校・大学が協力してAO入試や高校の指導改善に活用できる新しい学力検査」と説明されています。

 要するに、一般入試用である大学入試センター試験とは別に、推薦入試・AO入試を受ける受験生用の統一学力テストをつくるということでしょう。

 おそらく、各大学は「高大接続テスト」何点以上などの志願ラインを設定する。高校は、こんな成績では推薦・AO入試に出願できないぞと生徒を指導する、、、、、そんな感じでしょう。

 もちろん、これが実現するかどうかは分かりません。しかし、全国高等学校長協会ははやばやと賛成を表明しました。

 推薦・AO入試で大学に入るから勉強しなくてもよい、、、、とはならない時代がくるかもしれません。しかし、現在の大学、高校にとって、これは諸刃の剣でもありましょう。

 いずれにしても、大学教育の質の確保という中教審の論議は、実は大学や大学入試だけの話ではなく、高校教育をも巻き込んだものなのです。今度の大学改革は、高校改革につながっていくでしょう。
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中教審が教員免許更新制で報告

2008/01/22 15:04
 教員免許の更新制の制度設計を審議しているのは中央教育審議会の教員養成部会ですが、ここの報告がまとまったようです。ようですというのは、文科省のホームページではまだ案という形で掲載されているからです。

 ただ、当日の会合を取材した人間に聞いたところ、報告として了承され「報告(案)」の案の文字が取れたということです。つまり、報告を上の分科会なりに手渡すセレモニーが残っているが、部会レベルでは実質的に了承されたということでしょうか。

 部会報告はこちらです→部会配布資料

 内容はこれまで当ブログで説明してきたことと大きく変わりませんが、細かい点、これで説明していない点などがありました。

 ○ペーパー教員でも教職経験があれば更新講習の受講が可能に
 これは都道府県教委や私学団体からの要請を受けたものです。中教審は当初、ペーパー教員については、教員採用内定者、非常勤講師候補者リスト掲載者のみを受講対象としていました。しかし、それでは急場のときに非常勤を採用できない恐れがあるということで、非常勤講師を含む教職経験がある者はすべて更新講習を受講できるようにしたものです。


 ○更新年齢の現職教員でも更新対象にならない場合もある。
 免許更新は、改正教員免許法前に免許を取得している現職教員については、年齢に応じて35歳、45歳、55歳になる年度の3月31日が更新期限になりますが、その年齢でも更新対象にならない場合がある。細かいことですが、一度民間に就職してから教員免許を取得して教員になった者など、免許取得から10年を経過してない者は、この年齢がきても更新講習をうけずに、取得後10年目で更新することを選択することができるということのようです。

 ○教委の教育センターによる講習はあまで補助的役割。
 更新講習の主体は、大学であることを強調する文章が追加され、教委の教育センターは地理的に大学で講習を受けるのが難しい教員がいる場合など補助的位置づけで開設することが明示されています。
 どうせ、いつものセンター研修だろうとたかを括っていると痛い目に遭うかもしれません。

 ○大学の更新講習開設に細分化防止の歯止め
 これは受講者にはあまり関係ない事項ですが、講習を開設するにあたって最低でも必修部分が12時間以上、選択部分が8時間以上のいずれかでないと講習開設を認めないという歯止め規定のようなものが追加されています。
 これは、経費も人手もかかるので、アリバイ的に1、2時間程度を形式的に開設してすまそうという私立大学を牽制したものでしょう。
 教育行政的に見ると、文科省による大学への露骨な圧力ということで、これが最大の問題となりそうなのですが、、、、、、、


(余談)
 それにしても学習指導要領の中教審答申は、昨年の「審議のまとめ」と内容に大きな変化がなかったため、新聞などマスコミの扱いが小さかったこと、、、、
 でも、道徳の教科化は文科相に下駄を預けたという書き方には笑ってしまいました。

 なぜか、、、、、だってもう学習指導要領はできているんですよ。

 中教審答申からパブリックコメント用に学習指導要領原案を公表する2月末までの1か月あまりで、学習指導要領作成が一から始まるなどと思っている人がいたら、その人はあまりに人が良い。

 学習指導要領が1カ月でつくれるわけがないでしょう。実際のことを言えば、各教科の学習指導要領は大枠は一昨年中にできているのです。遅くても昨年秋には各教科ともほぼ完成していると見てよいでしょう。

 現行の学習指導要領までは、中教審答申→教育課程審議会答申→各教科の学習指導要領作成会議→学習指導要領告示という流れで、ほぽ5、6年をかけていました。それが行政改革で教育課程審議会が中教審に統合された上に、常時、学習指導要領の改善については審議するという形になり、実際の学習指導要領作成過程が見えなくなりました。

 以前は、教育課程審議会答申が出てから学習指導要領作成会議が設置されたので、マスコミは関係委員などから独自で取材したものです。ところが、今回の学習指導要領は答申審議とは別に中教審内部の各教科の委員会が日常的に活動していたため、マスコミはほとんどこちらをチッェクすることをしなかったようです。

 これでもよい言えばよいのですが、肝心要の学習指導要領の作成過程を監視してチェックするというマスコミの機能が次期学習指導要領では働かないわけです。

 いつのまにか出来上がっていた各教科の学習指導要領が、中教審答申から間をおかずに告示される、、、、、このような方法は行政的には当たり前ですが、こと学習指導要領という問題に限れば、正しいことなのか。私は疑問が残ると思います。

 なぜならば、中教審が学習指導要領の改訂を審議しているのに、各教科ではもう既に学習指導要領作成の作業をしているとはいえません。ただ、現在社会が教育行政に求めるスピードを考えれば、中教審答申と同時並行で学習指導要領作成の実務作業を進めるしかありません。

 よって、以前ならば学習指導要領の作成と同時に、広く教科関係団体などが侃侃諤諤の論議を始めたものですが、現在では実質的に関係者のみしか論争に加われないからです。

 ちなみに、現行学習指導要領も含めてこれまでは答申から告示までに、通常2年、短くても1年は期間がありました。
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大学の質の保証が招くのは後期中等教育の複線化か?

2008/01/15 00:43
今回取り上げるのは地味なニュース。でも、この影響はもしかしたらかなり大きいかもしれないと私は思います。

○大学評価で統一基準を研究(読売新聞1/13)
 OECDの非公式教育相会議が東京で行われ、「高等教育の成果の評価」について国際的統一基準をつくり大学評価を行うための研究をすることで合意したというニュースです。

 地味です。ほー、そうですか、、、、で普通なら終わりです。でも、、、、、もし、これが実現すると一番影響というか被害を受けるのは「日本の大学」だと私は実は思っています。施設や設備などの教育条件の評価ではなく、学生の教育成果という基準で見た場合、世界レベルの高等教育水準に達する学生を送り出していると胸を張れる大学が、いったい日本に何割あるでしょうか。

○大学教育の質の保証をあせる文科省 
 確かこの問題は、アラブの王族など金持ちの子女に学位を乱発する大学が西欧で増加していることが発端だったと記憶しています。しかし、一般的には、西欧などの各国では大学進学率自体が低いのでさほど問題ないでしょう。大学進学率が高い米国では入るのは簡単だが出るのは難しいという『厳格な成績管理』が一般的に導入されており、教養教育、研究者養成、専門家育成など大学の機能分化も進んでいるので大丈夫でしょう。しかし、日本の大学はどうでしょうか、、、、、、。

 文部科学省の中央教育審議会は昨年、「学士力」などの言葉がマスコミで話題になった学士課程教育の質の保証に関する報告をまとめています。この背景には、現役大学等進学率が昨年春に初めて50%を超えたという大学教育のグローバル化という問題がありますが、国際的な大学評価の動きも念頭にあったはずです。このままいけば、日本の大学教育に対する世界的な信頼が失われかねないという、、、、、、。


○大学に巻き込まれる高校教育
 しかし、ことは大学教育の質の向上というだけにとどまりません。中教審の大学分科会では「高校教育の質の保証」も検討テーマの一つになっています。また、一般には報道されていませんが、同じ中教審の教育課程部会でも「高校教育の質の保証」がテーマとして議論されています。ようするに、日本の大学教育の質を向上させるには、大学だけではなく高校教育にまで手を入れないといけいなという認識が中教審、つまり文科省にはあるのです。

 では、高校教育の質を上げるにはどうするか。ずばり、大学を受験するために資格制度を導入することです。結局は批判が多くて第三次報告には盛り込まれませんでしたが、昨年末に教育再生会議で議論された「高卒テスト」ですね。

 ひねくれた私は、「高卒テスト」の議論は、世論の反応を見るためにわざと文科省の事務方が教育再生会議に持ち込んだのではないかという全く根拠のない妄想までしてしまいます。


○行き着く先は後期中等教育の複線化か
 中学校卒が入る5年一貫の高等専門学校(高専)があるものの、日本の後期中等教育は高校という制度にほぼ一本化されています。実際は、学力、進路などにより同じ学校として議論できないほど高校は多様化しているのですが、高校を卒業すれば大学受験ができるということに変わりはありません。

 現在の大学が仮に何割かが経営的理由で淘汰されたとしても、現役高校卒の50%が大学等に進学する現在の状況が続く限り、大学教育の質を向上させることは難しいでしょう。米国のような「厳格な成績評価」は日本の風土に合いません。

 となると、大学受験者を絞らなければならない。しかし、同じ高校教育を受けながら、大学を受験できる者とできない者が分かれる大学受験資格試験のようなものも、はやり日本の風土に合わないことは昨年末の教育再生会議の議論やそれに対する世論の反発で明らかです。

 では、どうするか、、、、、、後期中等教育を複線化し、大学進学を前提とする高校、専門的な技能者養成の職業学校に再編していくことではないでしょうか。

 いますぐというわけではありません。しかし、あまり遠くない将来、後期中等教育の複線化という課題が出てくると私は思います。その発端が、もしかしたら今回の国際的な大学評価の話ではないかというのが私の考えです。

 そのように考えると、

○工業高や商業高、5年制職業校に再編…政府・自民が検討(読売1/8)

 職業高校を統合して5年制の職業学校をつくろうという上の記事のについても、単なる職業教育の活性化などというのとは違った読み方ができると思います。


 大学の国際的な質の保証という世界的な要請を前にして、日本の教育は
@18歳で一斉に大学進学することをやめて、多様性な年齢層を相手に機能分化した大学・大学院が厳格な教育を行う米国型
A進学か職業かという階級制度のなごりを残した複線化された後期中等教育を持つ西欧型

 のいずれかを選択するか、あるいは日本独自の方法を新たに見つけ出すことを迫られているというのが現状なのではないでしょうか。
 
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更新制で一般人の教員免許はどうなるの?

2008/01/11 02:19
だいぶ長い間放置状態が続いておりました。今年は何とか更新を続けたいと思っています。

で、再開第一弾ですがニュースを扱う暇がまだありません。すみません。というわけで、このブログに来る方たちの中で「免許更新制」で検索する人がけっこう多いこともあり、それについて少し説明しておこうかと思います。現職教員向けには過去のエントリーがあるので、一般の方、つまりペーパーティーチャーの扱いについて説明しようかと思います。

教員免許を持っている一般人向けとして文部科学省もページをつくっているのですが、さすが役所のするあることで、、、、、、、一般人が読んでもたぶんさっぱり意味が分かりません。

◎現在の教員免許保有者と免許更新期限の関係は。
 改正教員免許法(以下「新法」)では、改正前の教員免許法(以下「旧法」)による免許取得者の扱いは、省令で定めるとなっています。これは今年三月までに文科省から出される予定ですが、主な内容は既に中教審から報告されています。

 で、結論を言えば、35歳、45歳、55歳になった年度の年度末(3月31日)までが、旧法免許取得者の免許有効期間です。

 2009年度から新法が施行されますが、免許更新講習は2年間かけて受講できることになっているので、実質的には34歳、44歳、54歳の免許保有者から更新対象に組み込まれることになります。

 つまり、2009年4月1日から2010年3月31日までの間に34歳、44歳、54歳になる者が最初の免許更新制の対象者となるわけです。そしてこの人たちは、2010年3月31日までに免許更新講習の修了確認がもらえないと、教員免許が失効します。以下、毎年度、このサイクルが続き、10年たつとすべての旧法免許保有者が修了確認を受けて免許が更新するか、失効するという仕組みです。

 一度、免許が更新されれば、免許はさらに10年後の年度末まで有効となります。

 なお、2009年度からの新法施行後に教員免許を取得した場合は、有効期間はすべて取得日から10年間となります。

◎ペーパーティーチャーの免許のほとんどが2010年度末から順次失効していく。
 中教審の報告によると、免許更新講習の受講は、現職教員、教員採用内定者、非常勤講師候補者リスト掲載者、教員勤務経験者に限られています。

 よって、旧法で教員免許を取得している現行の免許保有者のうち、非常勤講師を含む教員経験がないペーパーティーチャー、非常勤講師の候補者としてリストにないペーパーティーチャーは、2010年度以降、35歳、45歳、55歳のいずれかの年齢になった年度の3月31日で、保有する教員免許が自動的に失効することになります。

 
 教員免許の保有者は現在、膨大な数に上っていますが、免許更新制によってペーパーティーチャーが消滅していくことで、その数は大幅に減っていくことになるでしょう。


◎ただし、必要ならば免許復活は可能。
 免許更新講習の受講に制限があることから、一度免許が失効した者についても免許更新講習と同じ復活講習を受ければ、教員免許が復活することになっています。

 ただし、教員採用内定、非常勤講師候補者リストなどへの掲載が受講の前提条件となります。




 このようにペーパーティーチャーの免許は、順次失効していくことになるわけですが、おそらく教委から「あなたの免許は失効しました」というようなお知らせはこないでしょう。

 ということは、知らない間に失効しているという事態も起こるわけです。35歳、45歳、55歳になった時には気をつけたほうがよいでしょう。
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失職と免職の違い、免許更新制

2007/09/26 00:19
 現在、ひどい夏風邪をひいています。おかげで、スケジュールが狂いっぱなしで、あちこちに迷惑をかけてます。健康管理は自営業の基本、、、、肝に銘じます。

 というわけで、発熱状態なので今回は短く。

 教員免許更新制についていろいろな人から聞いていて、一つ明らかになったことがあります。それは、教員免許が失効した現職教員の扱いについて「失職」と文科省が説明しているという点です。

 確かに、私も文科省の課長がそういっていたのを聞いたことを覚えているのですが、その時は気にはませんでした。

 通常ならば、免許を失った教員は「免職」(法的には分限免職)ですよね。私もそう思っていましたが、実は文科省はこれについて「失職」という説明で通しており、「免職」とは一度も言っていないそうです。

 その心は、「教育職員としての身分ではいられなくなるが、公務員としての身分まで奪われるかどうかはまだ分からない」ということのよです。

 「免職」と「失職」は一文字違いですが、公務員にとっては天と地ほどの違いがあるようです。

 それにしても、公務員論としては分かりますが、免許更新制は私立学校教員にも適用されるものです。私立学校に「免職」と「失職」の違いなど、どう説明するのでしょうか。

 ああ、また熱が出てきた、、、、
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授業時間数10%増は数字のマジック

2007/09/16 14:22
 学習指導要領改訂のニュースが日刊紙でもどんどん流れるようになりました。ネタもとは中教審の教育課程部会の会合を各社とも傍聴取材しているので、取り上げる事項のウエートの違いはあれ大筋はどれも同じです。
 また、中教審の議事録もどんどん最新のものがアップされるようになりました。これをマスコミ的に解釈すると、「ゴールが近い」ということです。議論が微妙な論点を含んでいる時、役所は議事録をアップしません。更新が遅れているという体裁をとって、中身を公表しないのです。でも、大筋が決まってゴールが見えてくると、怒とうのごとく議事録の更新が行われるようになります。

 まあ、各教科の中身の話はさておいて、今回の改訂の目玉は「授業時数の10%アップ」でしょう。しかし、、、、、これって本当は数字のマジックではないでしょうか。もう気がついている方もいるでしょうが、電卓を叩くと帳尻は合うものの、では具体的に可能なのかというと疑問だらけなのです。

 例えば、小学校の場合、6年間で350時間の授業時間数の増加となっています。具体的には、国語、算数、社会、理科、体育の時間数を増やします。
 で、どうするか。中教審の教育課程部会の資料は次のように説明しています。

 (4)総授業時数
○ 現在の各学年の総授業時間数は、児童の発達段階等を踏まえ、第1学年は782単位時間(週23コマ相当)、第2学年は840単位時間(週24コマ相当)、第3学年は910単位時間(週26コマ相当)、第4学年から第6学年までは945単位時間(週27コマ相当)となってる。
○ 今回の改訂では、上記(3)のとおり、総合的な学習の時間を、中学年及び高学年で各学年35単位時間(週1コマ相当)程度縮減することにより、4年間で140単位時間(週4コマ相当)程度が縮減されることになる。一方、高学年において、英語活動を総合的な学習の時間とは別に週1コマ程度行うこととすると、2年間で70単位時間(週2コマ相当)程度が英語活動に充てられることになる。
このため、国語、社会、算数、理科及び体育に関して、これらの各科目を通じて6年間で350単位時間(週10コマ相当)程度増加させるためには、6年間で280単位時間(週8コマ相当)程度増加させる必要があることになる。
○ さらに、これらの各教科等の授業時間外に、児童会活動やクラブ活動が行われていることや、学校が組織的な教育力を発揮する上で必要な職員会議等の時間を確保する必要があることを踏まえる必要がある。
○ このように、児童の発達段階や、授業時間外の諸活動の必要性等を踏まえつつ、6年間で280単位時間(週8コマ相当)程度増加させるとすれば、小学校の各学年の総授業時数は、低学年で年70単位時間(週2コマ相当)、中・高学年で年35単位時間(週1コマ相当)程度増加させることが適当と考えられる。


 ここで主要教科プラス体育の6年間350時間増という一般的なイメージが間違いであることが分かります。

 @ まず、実質的には280時間が授業時間数の純増分です。

 A具体的には、3年生以上の総合的な学習の時間を週1時間削減します。5・6年生ではこの削減分が「英語」に回るので、最終的には1・2年生は週2時間、3年生以上は週1時間の授業時間数増をします。これで、6年間で350時間、つまり現行よりも主要教科時間数が1割アップとなる計算です。


 つまるところ、授業時間数10%増とマスコミなどは大騒ぎしていますが、低学年で週2時間、中・高学年で週1時間増えるだけなのですね。

 でも、ちょっと待ってください。学校週5日制はそのままです。現在でも各学校は、授業時間数の確保に四苦八苦しています。学習負担の増加という問題を考えなければ、授業の組み方に余裕がある低学年はなんとかなるでしょう。しかし、中・高学年でどうやって週1時間の純増を生み出すのでしょうか。

 その答えは、先に引用した資料の注釈の部分にあります。これです。

※ 現在、公立小学校(第5学年)では、9割以上の学校において標準授業時数を上回って教育課程を編成。このうち、年35単位時間(週1コマ相当)程度上回っている学校は6割程度。
※ 始業前などに全校一斉のドリル学習や読書活動に取り組んでいる学校は9割程度。


 要するに、現行でも小学校の6割は、学習指導要領より週1時間程度多い授業時間を組んでいるから、週1時間増はできる、、、、、、、ということなのです。

 そして、それでも間に合わなければ、次の手を使います。

○ 国として示す標準授業時数を増加するにあたって、増加した授業時数をどのように確保するかについては、教育委員会や各学校の裁量でそれぞれの学校や児童の実態等を踏まえ、多様な取組により増加させることが考えられる。
○ 例えば、
・週当たりの授業時数の増加のほか、
・教科教育の一環として朝の10分間を活用した読書活動、ドリル学習の活用
・1単位時間を変更したモジュール学習の活用
・長期休業日の短縮
などの方法が考えられる。また、同様の取り組みにより、各学校の裁量で標準授業時数を上回る授業を実施することも可能であることを明示することも考えられる。

 早い話が、現行でも9割の学校が朝の読書やドリルをやっているから、これを授業時間数にカウントすれば、大半の学校は授業時間数の1割増が可能だということです。


 なるほど、、、、とうなずきます。そして、疑問がわきます。

 6割の学校が週1時間多く組んでいる、9割の学校が課外活動で教科関連学習をしている。それを授業時間数に組み込めばよい、、、、、、、これって純増なのですか?

 私の頭で考えると、現在余分に設定してある授業時間と課外活動の時間を学習指導要領の標準授業時間数にカウントしても、実際の授業時間数が増えることにはならない、、、、という結論になるのですが、、、、私の頭が悪いせいでしょうか。

 中学校もほぼ小学校と同じ理屈で授業時間数の増加が図られています。
 ○小学校の教育課程の枠組みについて(検討素案)
○中学校の教育課程の枠組みについて(検討素案)


 結局のところ授業時間数の10%アップというのは、学校現場にしてみると「数字のマジック」以外の何ものでもないのではないでしょうか。

 最後に誤解のないようように言っておきますが、私は授業時間数をもって増やせと言いたいのではありません。

 授業時間数が週1時間増えれば、学力が上がるのか、、、、そんな疑問を放置したまま、学習指導要領の標準授業時数をクリアするにも各学校が四苦八苦の工夫をして、課外活動まで授業時間数にカウントしなければならないようなものが、本当に最低限の基準であるはずの学習指導要領といえるのか、、、、、、ということです。


これがそのまま学校に適用されれば、問題のある地域や子どもが多い学校では、学習指導要領の標準授業時数をこなすことさえ不可能になるでしょう。逆に恵まれた環境の学校は、さらに標準授業時間数以上の授業をこなすようになるでしょう。


 ちなみに、実質的に必履修科目と卒業必要単位数しか学校を縛るものがない状況になっている高校については、授業時間数の増加などは全く議論されていません。ようするに各高校で勝手にやれということです。これはこれで高校としては当然かと思います。しかし、そのような考えた方を小・中学校にまで導入する必要があるのか、、、、、、私は疑問を感じます。
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再来年度の教員免許更新講習の対象者は

2007/09/11 22:49
 ブログを再開したはよいけど、なかなか時間が取れず更新もままなりません。肝心の教育ニュースもできない状態ですが、でも、知りえた情報はできるだけ広く伝えていきたいと思っています。

 で、今回もやはり一般の人にはあまり関係ない話で恐縮ですが、2009年度から始まる教員免許の更新制に伴う、免許更新講習の対象者は、、、、、というお話です。


 8月末に開かれた中央教育審議会の教員養成部会を取材した人間に聞いたところ、免許更新制の初年度となる2009年度の対象者は、34歳、44歳、54歳の現職教員(非常勤講師や採用内定者を含む)になるとのことです。


 改正教員免許法による免許更新制が施行される前に教員免許を取得している現職教員が免許更新講習を受ける場合、免許所得期日にかかわらず35歳、45歳、55歳が更新年度になると前に書きました。

 ただし、更新講習は2年間かけて30時間の講習を受け、修了認定されればよいということになっています。

 つまり現職の場合、34歳、44歳、54歳で更新講習が受講可能となるわけです。

 そこで2009年度は、受講者数が増えないように、まず34歳、44歳、54歳を対象に始めようというのが文科省の方針だということです。

 さらに、大学における更新講習のキャパに限りがあることが予想されるため、次年度の講習受講者が増えすぎないようにするため、初年度の受講者たちはできるだけ1年間で講習を修了してもらうというのが文科省の考え方のようです。

 
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学習指導要領の改訂はいつか

2007/08/26 20:26
 忙しいです。フリーターのような暮らしをしていたフリーライターには、地獄のような日々です。ということで、今回は簡単にすませます。この前も原稿も書かずにブログ更新しているのを見つかって編集者に怒られてしまいました。

 で、次の学習指導要領の改訂はいつか、、、、、という話題です。

 ○「言語力」全教科で育成…中教審方針(読売新聞8月17日)

○全教科を通じ「言語力」育成 文科省の有識者会議(朝日新聞8月17日)

日刊紙でも学習指導要領の改訂に関する記事が少しずつ出ているようですね。

 この二つの記事のテーマとなっている「言語力」には、いろいろ賛否があるようです。ただ、簡単に言えば、これは経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)がメーンにしている「読解力」のことだと言ってよいでしょう。

 資料やテキストから課題を見つけ、それを解決し、他人の伝える能力のこと。「読解力」と日本語訳されてきましたが、そうすると従来の「国語」の読解のように受け取られるという懸念が関係者の間では出されていました。

 「読解力」というと国語のみになってしまうので、あえて「言語力」というなじみのない表現にしたというところが真相ではないでしょうか。

 話が脱線しました。で、学習指導要領の改訂はいつか。


 ずばり来年2月です。


 今年度中に学習指導要領を改訂することは、政府の「骨太の方針2007」に示されているので決定事項です。

 リンクがないので紹介できませんが、日本教育新聞の8月20日付の中に、日本新聞社主催のセミナーで中央教育審議会の有力委員の一人である梶田叡一・兵庫教育大学長が講演した内容が載っています。

 それによると、

 学習指導要領改訂に向けた中教審の中間報告が10月

 中教審の答申が来年1月

 新学習指導要領の告示が来年2月ごろ

 というのが、目下のスケジュールだそうです。

 内容については、昨年の中教審教育課程部会の中間報告などとあまり変わりはないようです。教育再生会議で出した道徳の教科化なんてのも、結局中身は従来にない新しい枠組みの教科なんて呼び方をしていても、実質現行どおりなんですから。

 ただ、梶田氏の発言の中で気になるのは、高校の総合的な学習の時間を必修から外すべきだという意見が中教審内部にあるようです。これは大変気になるところです。

 では、学習指導要領の告示が来年2、3月ごろとして、実施はいつになるのか。

 最短スケジュールだと、告示後一年間で教科書編集、次の1年で教科書検定、そして次の年で教科書採択となるので、

 小学校の新学習指導要領が2011年度

 中学校の新学習指導要領実施が次の2012年度

 そして、高校が2013年度から学年進行で実施

 ということなるでしょうか。まあ、あくまで最短でです。

 もちろん、例えば学校運営上の土曜日の扱いなど教科書に関係しない部分は、移行措置としてその前に実施されることになるでしょう。

 
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教員免許更新制Q&A 免許更新講習について

2007/08/19 17:17
ごぶさたしてました。近況報告ですが、週のうち3日程度は助っ人の日雇い編集者として会社員のような仕事、残りはフリーライターとしての従来通りの仕事をするという日々です。そろそろ少しずつ更新していこうかと思っています。

で、再開第一弾としては誠に不適切なテーマなのですが、現職教員または教員志望者以外の人には縁のない話、教員免許の更新講習についてです。

文部科学省主催の更新講習説明会を取材してきました。日刊紙では朝日が取り上げていますね。
「教員免許の更新講習は「双方向評価」 文科省が方針(8月12日)

文科省もホームページで更新講習の説明をしていますが、私が取材した範囲内でのことを私の主観で書いておきたいと思います。よって、文責はすべて私にあります。


私家版 教員免許更新制Q&A−−どうなる免許の更新講習

質問 教員免許の更新制はいつから始まるのですか?
回答 2009年度からです。


質問 改正免許法施行後の免許取得者が10年ごとに更新するのはわかりますが、それ以前に教員免許を取得しているものはどうするのですか?
回答 文科省は非常勤講師を含む現職教員について、生年月日により一律に免許更新講習の実施時期を定めることにしています。
    説明会では例として「35歳、45歳、55歳」が現職教員の免許更新時期と例示されました。これはあくまで例示ですが、合理的に考えてもこの年齢しかあり得ないので、ほぼ間違いなくこの年齢が現職教員の免許更新時期となります。
    よって、早ければ2009年度に35歳、45歳、55歳になる現職教員は、2009年度に更新講習を受けることになるでしょう。ただ、更新講習は2年間で受ければよいとなっているので、最初の2009年度は2010年度に35歳、45歳、55歳となる人、つまり34歳、44歳、54歳の人間が対象になるかもしれません。
    このうち55歳での講習には疑問を持つ人もあるでしょうが、これは定年後の再雇用を想定したものです。都道府県教委から定年後5年間程度の再雇用時に教員免許が失効することがないようにしてほしいとの要望が出されていました。


質問 更新講習のどの程度の時間なのですか。また受講は、職務命令なのですか。
回答 更新講習は年間30時間程度と法律で定められています。ただし、更新年度の一年前から受けられるようになるので、実質的に更新者は2年間をかけて30時間の講習を受けることになります。2年間で更新講習を修了できなければ、免許が失効し自動的に現職教員は失職となります。
    更新講習は、授業などの業務に支障の出ないよう夏休みなどの長期休業中、土・日曜日、夜間などの開催が想定されています。免許更新は個人の理由によるものなので、職務命令は出ません。ただし、長期休業中などの平日に講習を受ける場合は、職務専念義務免除いわゆる職専免が適用されます。また、休日や職専免での活動なので講習中の事故は公務災害にはなりません。


質問 複数免許を持っている場合、更新も複数するのですか?
回答 一番新しい免許の取得日が更新の起算日になります。それによって更新講習を受ければ、すべての免許が更新されます。
    よって、現職の教員は、改正免許法が施行されてから一つ新しい免許をとれば、むこう10年間は更新する必要がなくなります。まあ、あくまで机上論ですが。

質問 講習はどこで実施されのですか?
回答 実質的に教職課程を持つ大学です。改正免許法では、都道府県教委の教育センターなどでも講習会ができると解釈されます。これによって、経験者研修のように対象者に教委が一律に日時と場所を指定するので、これまでの官製研修と変わりらないと思っている人や組織もあるようですが、それは間違いです。
    説明会の中で文科省の教職員課長は、「都道府県や教育センターには一切期待していない」と断言する一方で、大学に対して非常に強いプレッシャーを掛けていました。
    一部、いやほとんどの私立大学は、更新講習を「国立大学や養成系学部を持つ大学の仕事」と決め付け、やりすごそうとしていたようですが、文科省は教職課程を持つ大学のうち更新講習を実施しない大学は名前を公開すると説明(恫喝?)していました。
    また、更新講習の実施には文科省の認可が必要ですが、教育センターなどの既成の教員研修のようなものは「絶対に認可しない」と言ってましたね。


質問 講習の内容はどのようなものなのですか?
回答 教員の使命感、時代の要請に応じた課題など「必修」となる部分、各免許の教科専門や年齢に応じた課題など「選択」になる部分とに分かれます。具体的には中教審で審議されています。


質問 免許更新講習は教委が受講指定しないのですか?
回答 たぶん、しません。文科省の説明会で、都道府県教委に負担を掛けるのは、免許管理と更新対象者の把握だけだと説明されています。つまり、講習会の選定や指定などの手間は教委にはかけいなということです。
    よって、免許更新対象者は、自分で各大学の講習内容を吟味して、自分で申し込みをしなければなりません。文科省は、すべての大学の更新講習の内容・日時などをホームページで提供することにしています。それを見て個人が自己責任決めることになるのでしょう。


質問 最初の更新講習は、10年目研修で一部代替できると聞いたのですが?
回答 間違いです。中教審答申ではそのようなことが盛り込まれていましたが、方針が変更されたようです。文科省は既成のいかなる教員研修も更新講習の代替には使えないと説明しています。


質問 更新講習を受けなくてもよい教員がいるのですか?
回答 管理職、指導主事などは更新の対象外となります。要するに大学からの要請を受けて更新講習の講師になれるような人材は、更新の対象としないということのようです。
    また、優秀教員の表彰を受けた人間も更新講習は免除されますが、その効力は一回限りという説明でした。


質問 受講者が更新講習の内容を評価すると新聞にありましたが本当ですか?
回答 本当です。文科省は更新講習の質を保証するため、受講者に講習ニーズの事前アンケートを実施して講習に反映させるほか、事後アンケートで講習内容を評価させるように義務付けると大学に説明しています。
    特に事後アンケートの評価は、ホームページで大学ごとにすべて公開することになっており、更新対象者がどの大学でどんな更新講習を選べばよいかの参考資料にすることを狙っているようです。


質問 一つの大学で更新講習を全部済ませられるのですか?
回答 大学によります。文科省は更新に必要なすべての科目を全部開催する必要はないと大学に説明しています。つまり、30時間の必要な単位をすべて揃えて講習会を開く大学もあれば、専門科目のみの講習会、生徒指導のみの講習会を開く大学もあるということです。


質問 更新講習の成績が悪いと免許更新できないのですか?
回答 できません。法律では更新修了の認定を必要とするとされています。講習修了の認定基準は現在、中教審で審議されています。具体的には、文科省が修了認定の基準を省令などで公布するとともに、認定マニュアルを作成し、それに基づいて各大学が修了認定することになっています。つまり、教員免許の更新を認めるのは、都道府県教委ではなく講習を開催している大学だということです。
    ただし、文科省は「普通に受けていれば、修了できる内容」だと更新講習について説明しています。おそらにく、よほどのトラブルでも大学との間に起きない限り、修了問題は起きないのではないでしょうか。大学だって、修了を認めなかったのはおかしいという訴訟が起きることは避けたいでしょうから。


質問 へき地勤務など大学での講習に行けないような者はどうなるのでしょうか?
回答 これは文科省でも頭の痛い問題のようです。具体的には、インターネットなどを活用した通信制の免許講習会を大学に開かせることで解決しようとしているようです。


質問 更新講習の費用は公費ですか?
回答 自己負担です。しかし、現職教員については、法律で後から更新を義務付けたいわゆる不利益変更の形になるので、文科省としては何らかの予算措置をしたいという方針です。問題は、それを財務省が認めるかどうかでしょう。私は、期待薄だと思います。

質問 ペーパー教員は免許講習会に参加できなととのことですが、教員になろうと思っているペーパー教員はどうなるのですか?
回答 ペーパー教員の講習会からの締め出しは、実務的な問題でいたしかないようです。私個人としては、非常に疑問ですが現実問題としてそうなるので仕方ありません。
    非常勤講師などを含めて教員採用が内定している者、教委や私立学校、私学団体などが作成している非常勤講師候補者リストに名前が掲載されている者は、講習を受けることができるようになります。
    今後、都道府県教委は、市町村や学校などの要望を受けて登録リストの作成を開始することになるでしょう。
    ただ、問題は私立学校です。東京都のように私学団体がリストを作成しているところはよいとして、そうでないところは困るでしょう。私立学校が個別に作成したリストの集約などできるのでしょうか。課題は多いですね。
    いずれにしろ平成31年度には、現在教員免許を持っているペーパー教員のほとんどの免許が一斉に失効することになるでしょう。


質問 非常勤講師候補者リストに載っていないが、急に採用が決まったという場合はどうするのでしょうか?
回答 都道府県教委は、臨時免許を出せばよいと考えていたようですが、それは駄目だと文科省に説明会で釘を刺されました。少しでも可能性のあるものはリスト搭載しておけというのが文科省の考え方です。
    ただし、どうしても対応できない場合があるため、文科省はそういう人間を対象にした1〜2週間程度の「短期促成講習会」というのを検討しているようです。


質問 実習助手、寄宿舎指導員など教員身分でない者が教員免許を持っている場合、どうなるのでしょうか?
回答 教員ではないので更新講習を受けるために職専免扱いはできないというのが文科省の説明です。要するに自分で勝手にやれということですね。




ブログ再開のしょっぱなから、このように一般向けでない内容になり、申し訳ありません。これからできるだけ更新していきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
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しばらく放置状態が続きます

2007/06/20 00:22
ごぶさたしております。まる二ヵ月ほど更新していないのにいまさらですが、当分の間、更新できそうもありません。

じつは知り合いの出版社で人手が足りなくなり、急遽、助っ人にかりだされ、現在、ほぼ毎日出勤しています。社員ではないのですが、会社員のような生活です。

さらに、これまでのフリーライター稼業も続けているため、会社員とフリーライターの二重生活という環境になってしまいました。

というわけで、どうしてもブログを更新する時間と気力、体力がありません。

いっそのこと閉鎖しようかとも思ったのですが、また何か書きたくなることもあるかもしれないので、ブログ自体は残しておくことにしました。

また、時間ができればぽつぽつと更新するかもしれませんが、いつになることやら、、、、


つまらない記事を読んでくださった方、訪問してくれた方、どうもありがとうございました。
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ゆとり教育と学力

2007/04/15 00:09
 さあ、一部の人たちにはまた困った結果が出ましたね。高校の学力テストの結果です。正確には、学力テストではなく「教育課程実施状況調査」といい、学習指導要領改訂の資料とするため数年おきに抽出調査で実施されます。


◎高3学力テスト、「ゆとり世代」で結果改善 文科省(朝日新聞04月13日)
◎高3学力低下歯止め、ゆとり世代初の全国テスト(読売新聞)
◎ゆとり教育:学力は「改善の方向」 文科省調査(毎日新聞)

資料はこちら。
◎ 平成17年度高等学校教育課程実施状況調査結果の概要
 各紙とも、すなおに学力が上がったとは認めていません。文科省も同様ですね。記述式の成績が悪いとか、理科や数学が悪いとか。しかし、全体的に見れば学力は向上していることは事実です。

 ○学力低下を指摘されたのは実は前学習指導要領の子どもだった。

 「ゆとり教育」が批判され、そによって学力が低下しているという問題は、現行学習指導要領が始まるときに世の中を席巻しました。いわゆる、学力低下批判です。文科省は当初、それを認めませんでしたが、経済協力開発機構による学習到達度調査(PISA2003)と国際教育到達度学会の理科・数学教育動向調査(TIMSS2003)の結果が2004年末に相次いで発表され、国際順位が低下したことが明らかになり、文科省は初めて学力低下を認めました。以来、学力低下は既成事実となり、学力向上路線へと変わっていくわけです。

 しかし、ここに一つの落とし穴があります。それは、PISAもTIMSSもテストの対象学年となったのは前回の学習指導要領で学んでいた子どもたちだったということです。

 つまり、学校週五日制や総合学習の導入で批判された現行学習指導要領の子どもたちの実力はこの時点では全くわかっていなかったのです。


○現行学習指導要領の小・中学生も学力は向上している。
 今回、高校生についての結果ですが、小・中学生はどうなのでしょう。実は、2005年4月に発表された2003年度小・中学校教育課程実施状況調査の結果によると、やはり学力は向上していることが分かっているのです。

 しかし、当時は既に学力低下批判が社会的に定着しており、文科省も表面的には学力向上に舵を切っていたところなので、マスコミは学力向上よりも記述式問題に成績が悪い、数学の力が落ちている、学力低下を受けて学校現場が学力向上に励んだ成果だ、などと報道しました。つまり、今回と同じです。


 ○「ゆとり教育」とは何かを精査する必要がある。
 結論を言えば、学力が低下していたのは前回までの学習指導要領で学んだ子どもたちで、現行学習指導要領の子どもたちはそれに比べると学力が上がっているということです。

 もちろん、前回学習指導要領の子どもたちの学力が低かったので、それに比べて上がっているからといって、学力が向上していることにはならない。「ゆとり教育」以前と比べれば、学力低下は依然して深刻だという見方はもちろんできます。

 しかし、完全学校週5日制、総合的な学習の時間の導入など、「ゆとり教育」の頂点といわれる現行学習指導要領が、それまでの「ゆとり教育」の学習指導要領よりも成績が上がっているというのは、「ゆとり教育」イコール「学力低下」という図式に当てはまりません。

 昔、ゆとり教育のスポークスマンといわれた文科省の寺脇研氏(現・京都造形大学教授)が学力低下を批判されたときに、単に授業時間数を減らしたそれまでの学習指導要領と、「生きる力」の育成を目指した現行学習指導要領は、同じ「ゆとり教育」ではないと発言したことがあります。当時は、失笑を買った発言ですが、ここにくると寺脇氏の発言はあながち間違っていなかったような気がします。

 「ゆとり教育」ということで、「ゆとりと充実」以来の学習指導要領は同じく批判されていますが、もっと丁寧にそれぞれの学習指導要領の成果を見直す必要があるのではないでしょうか。


 ○もっとも文科省は現行路線を見直すつもりはない。
 で、ここまで言ってきて結論をひっくり返すようで恐縮ですが、既に文科省は現行学習指導要領の「生きる力」の育成という理念を継続することを決めており、それを修正するつもりはないようです。

 そもそも、現在国会で審議されている学校教育法改正案の中にある義務教育の目標の条文には「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない」とわざわざ入れてあります。

 この条文と現行学習指導要領の理念の間に、どれほどの違いがあるか説明できる人はいるでしょうか。私はできません。もっとも、この条文と同じ内容は教育再生会議の第一次報告にも入っています。文科省にすれば、教育再生会議の報告を具体化しただということでしょう。再生会議は、「ゆとり教育の見直し」を打ち出しながら、実際には「ゆとり教育」を進める内容を報告に盛り込んでいたのですね。

 というわけで、学力低下批判を受けて基礎・基本的な知識・技能の定着に力を入れるようになったものの、基本的には「生きる力」路線を文科省は捨てるつもりはないのです。

 2003年度小・中学校教育課程実施状況調査、そして今回の高校の調査でも文科省は、学力低下がないことを強調していませんし、現行学習指導要領は正しかったと勝ち誇ってもいません。それは、既に「生きる力」路線を継続することを決めているので、あえて学力問題で波風を立てたくないというのが文科省の本音ではないでしょうか。

 
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教育再生会議の競争原理導入報道の裏側

2007/04/13 00:56
 教育再生会議が学校教育に競争原理を導入し、生徒の集まる学校には予算を多く配分し、集まらない学校は統廃合するという報道は、各方面でいろいろな波紋を呼んでいるようです。賛成、反対さまざまですが、、、、ここでその報道は真実だったのかということを検証したい。実は、私たちはある意図に載せられているのではないか。

 ことの発端は朝日新聞の4月8日付け記事です。
◎教員給与、査定で20%増減 再生会議提言へ
「政府の教育再生会議は、ほぼ一律だった公立学校教員の給与を査定によって80〜120%の幅で決められるようにし、あらたに「上級教職」をつくるなど、成果を反映させる新制度を提言する方針を固めた。予算を学校の児童・生徒数に応じて配分し、企業や個人が学校に直接寄付できる制度も提言する。道徳教育の強化と並んで、学校現場への競争原理導入という安倍首相の教育改革の二本柱が鮮明になった」

○朝日新聞は会合前日にその内容を報道していた。
 これは大きな騒ぎわ招きました。なぜなら、この件を審議する教育再生会議第一分科会の会合は9日に予定されていたからです。つまり、会合前日に朝日がスクープしたのです。

 新聞記者にとってなにがいやかというと、日曜日に他社にスクープ記事を掲載されることです。平日ならば夕刊で追いかけることもできますが、日曜日には夕刊もないし、取材しようにも役所、政治家、企業とも休み。つまり、丸1日、1社のスクープ状態を許すことになるわけです。それをやった朝日新聞は偉い、、、、しかし、翌日に開かれる会合の内容をどうして事前に知っていたのでしょうか。

 それは、委員の一人から翌日の会合の資料がリークされたからです。これは憶測ではありません。伊吹文科相がそういっています。
 「議論のためのペーパーを作るということで、一部の人がそれを出されたということのようです。会議の前に聞いたので会議の模様はよくわかりませんが、色々な意見があるようです。ある社が事前にこのことを報道しましたが、その社へリークをした人が、自分がリークしたと告白をしたりしたとか、色々なことがあるようです」(10日閣議後大臣会見

 つまり、審議のたたき台となる資料をある委員が朝日新聞に流して会合前日に報道させたのです。あるいは、会議終了まで報道しないという約束を朝日の記者が破ったか。


 ○実際の会合では競争原理導入はあまり審議されなかった。
 4月9日の教育再生会議第一分科会の議事概要をみると、冒頭で朝日の記事が問題になっており、これは決定事項ではないと念押しされています。

 そして、審議概要の限りでは、公立学校全部に学区自由化などによる競争原理を導入するというこは話し合われていません。
○記事概要(この議事概要は、正式な議事要旨ができると削除されるようなので、みるなら早い方がいいです)
○問題の会議資料(当然ですが内容は確かに報道どおりです)
○教育財政関係資料(これは便利です)

 にもかかわらず、各社とも競争原理導入、教員給与に80〜120%の差などと報道したのは、実際に会議のペーパーにそう書かれていたこと、そして朝日のスクープで各社ともその内容を流さなければならなかったからです。

 安倍首相がかかげる教育改革の目玉である教育バウチャーに関することですから、会合後の記者会見で、あれは決定事項ではありませんといわれて、その通りに記事を書いてもおそらくデスクは納得しないでしょう。だから、各社ともペーパーがあるのだから一応事実であるということで、競争原理導入を報道したのではないのでしょうか。

ようするに、リークした委員と朝日にしてやられたのです。


○なぜ資料はリークされたのか。
 さて、これからは全く根拠のない私の想像、あるいは邪推です。あまり信用しないでください。

 なぜ、公立学校への競争原理導入がリークされたのか。安倍首相がかかげる教育バウチャー制という目玉商品に関係することですから、はでに宣伝したかったと考えるのが普通です。たぶん、一番妥当でしょう。しかし、そう単純なことでしょうか。

 リーク先が読売や日経だったらわからないでもない。しかし、朝日ですよ。そう考えながら朝日の記事を読むと、競争原理導入で学校教育にも格差社会が持ち込まれるということを行間で訴えているように読める。つまり、安倍政権の本質は、愛国心や道徳の強制、そして競争原理導入による社会格差の拡大であるという批判ですね。

 で、私の邪推は、これをリークしたくだんの委員は、実は公立学校への全面的な競争原理導入、ひいては教育バウチャー制自体を潰したかったのではないか。

 首相の意に沿った競争原理導入の資料を事前にマスコミにスクープさせることで、関係者の批判を招き、結果的に「これは決定事項ではいない」という流れに持ち込んでいく高等戦術を使ったのではないか、、、、、、、、と邪推、妄想しております。

 まあ、単に競争原理導入を派手に宣伝したくて、得意になってマスコミに話したついでに、資料も渡してしまったということも十分に考えられますが。
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道徳は教科化か新教科か

2007/04/11 23:09
 教育再生会議の第一分科会の動向で、道徳教育の改革があります。以前のエントリーでは少し触れましたが、第一分科会の資料が公開されたので見てみると、どうやら単なる保守的な道徳教育の充実ではないような気がします。


○マスコミ報道には偏見があったのではないか。
◎道徳、「教科」に格上げ案 教育再生会議分科会が提言へ(朝日新聞03月30日)
◎道徳教科化、「評価」は反対意見大勢 教育再生会議(朝日新聞04月09日)

 上の記事からは、明らかに従来の保守的立場の一部から出されていた道徳教育の充実、その一つとしての道徳の教科化というニュアンスが伝わってきます。

 しかし、引っかかったのは、道徳の教科化について質問を受けた伊吹文科相が、
「報道各社は、言葉を選んできちんと報道してもらいたいと思いますが、教育再生会議は『徳育』と言っているのではないですか。道徳とは言ってないと思います」(閣議後大臣会見
と答えたことです。
 確かに新聞報道でも「徳育(仮称)」という教科名はありますが、いずれも「道徳の教科格上げ」というニュアンスの中での情報でした。


○教科格上げと新教科はニュアンスが異なるのではないか
 で、サイトにアップされた教育再生会議の第一分科会の資料を見ると、次のようなものがあります。
 ◎たたき台(新教科「徳育」の設置)
 ◎学力と徳育関連資料

 この資料は、白石主査と小野副主査の共同提出となっていますが、虚心坦懐にこれを見ると、ここから読み取れるのは既存の道徳の教科格上げではなく、従来の道徳とは全く異なる新しい教科をつくろうということです。おそらく事務局もこれにかんでいるだろうと私は思います。

 実際に、議事概要を見ると、道徳の教科化で一致したと伝えられる会合の中身は、生きる力を身につけるためのスキルを学ぶ新教科を創設したらどうかという議論でした。

 「徳育」という科目名よりも「生き方科」という名称の方がふさわしいという発言もあります。議論の中でも言及されていますが、おそらく、白石主査と小野副主査の念頭には東京都杉並区立和田中学校の「よのなか科」があるのは、ほぼ間違いないだろうと思いました。

 ただ、ほかの委員の発言を見ると、道徳の教科化と提案された新教科の関係が全く理解できていない人、ともかく道徳を増やせと言うだけの人などがいて、議論があまり噛み合っていない印象を受けます。ここだけの話、教育再生会議の議事録は読んでいて、笑いどころ満載です。こんな訳の分かっていない人々が、噛み合わない議論をしていれば、マスコミに審議公開などできるわけがないというのはうなづけるところです。

 話を元に戻すと、一部主要委員は、道徳の教科格上げという形をとって、全く別の「生きる力」のための新教科を構想しているのではないか、というのが私の見方です。


 ○結局は、次の次の学習指導要領の話。
 だとすれば、現実問題としてどうなるか。教育再生会議が「徳育」や「生き方科」などの新教科創設を提案したとしても、その具体化を検討するのは中央教育審議会であり、議論はおそらく1年や2年はかかるでしょう。全くの新教科ですからね。

 となれば、今年度末ごろに予定されている次期学習指導要領の改訂などに間に合うはずもない。ということは、次の次の学習指導要領改訂の課題となるわけです。

 それにしても、道徳の教科化という保守的な人々にアピールするような新教科「徳育」という名称の裏で、実際のところは「生きる力」をより強化するような新教科「生き方科」を構想している一部委員(あるいは事務局も含む)がいるというところに、私としては非常に興味を感じました。世の中、表と裏があり、なかなか一筋縄ではいきませんね。
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教員免許更新制の現職部分を追加しました

2007/04/07 19:00
前の教育改革3法案の解説で、教員免許更新制について現職教員にかかわる部分が附則についているのを見落としていました。追加しましたので、前のエントリーをもう一度ご覧ください。
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私的解説・教育改革3法案

2007/04/07 01:22
 やっと文科省のサイトに教育改革3法案がアップされました。閣議決定と国会提出が3月30日なのに、遅すぎる。というわけで、法案の要点を見てみたいと思います。しかし、こんなマニアックなものを読む人がどれだけいるのか。だんだん、一般向けから離れていますね、このブログは。 (教員免許法改正案で現職教員にかかわる部分を新しく追加しました)

 ◎法案のページはこちらから。
 法案を見るときポイントは、新旧対照表を見ることです。法案の概要、ましては法案本文を読んでも何がんだか分かりません。法律改正の役所の資料には、必ず新旧対照表がついてますので、これを見るということを覚えておくと便利です。


 ○けっこう変わった小・中・高校の教育目標
 まずは学校教育法改正案から。教育基本法の改正を受けて、各学校段階の教育目標が改正されています。構成も幼稚園から大学へという順になり、結構読みやすくなりました。学校教育は教育基本法よりも学校教育法によって規定される部分が多いので、学校教育法の教育目標の変化は影響大ですね。

(小学校・現行)
 一学校内外の社会生活の経験に基き、人間相互の関係について、正しい理解と協同、自主及び自律の精神を養うこと。
 二郷土及び国家の現状と伝統について、正しい理解に導き、進んで国際協調の精神を養うこと。
 三日常生活に必要な衣、食、住、産業等について、基礎的な理解と技能を養うこと。
 四日常生活に必要な国語を、正しく理解し、使用する能力を養うこと。
 五日常生活に必要な数量的な関係を、正しく理解し、処理する能力を養うこと。
 六日常生活における自然現象を科学的に観察し、処理する能力を養うこと。
 七健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養い、心身の調和的発達を図ること。
 八生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸等について、基礎的な理解と技能を養うこと。
(小学校・改正案)
 一学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
 二学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
 三我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
 四家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
 五読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する
基礎的な能力を養うこと六生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
 七生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
 八健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
 九生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
 十職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。


 生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。



(中学校・現行)
一小学校における教育の目標をなお充分に達成して、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと。
二社会に必要な職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。
三学校内外における社会的活動を促進し、その感情を正しく導き、公正な判断力を養うこと。
(中学校・改正案)
上の小学校・改正案と同じ。


(高校・現行)
一中学校における教育の成果をさらに発展拡充させて、国家及び社会の有為な形成者として必要な資質を養うこと。
二社会において果さなければならない使命の自覚に基き、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な技能に習熟させること。
三社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、個性の確立に努めること。
(高校・改正案)
一義務教育として行われる普通教育の成果を更に発展拡充させて、豊かな人間性、創造性及び健やかな身体を養い、国家及び社会の形会の形成者として必要な資質を養うこと。
二社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な知識、技術及び技能を習得させること。
三個性の確立に努めるとともに、社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、社会の発展に寄与する態度を養うこと。


 なお、高校教育の目的は、
第五十条高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。
 となっており、進路に応じて教育するという部分が追加されています。



 ○学校評価の規定が新設されています。
第四十二条小学校は、文部科学大臣の定めるところにより当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図るため必要な措置を講ずることにより、その教育水準の向上に努めなければならない。
 これは中学校、高校にも準用されます。


 ○副校長、主幹、指導教諭の新設
 副校長、主幹、指導教諭を置くことができるようになります。

 副校長=校長を助け、命を受けて校務をつかさどる。
 教頭=校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。
 主幹教諭=校長及び副校長、教頭を助け、命を受けて校務の一部を整理し、並びに児童の
教育をつかさどる。
 指導教諭=児童の教育をつかさどり、並びに教諭その他の職員に対して、教育指導の改善及び充実のために必要な指導及び助言を行う。



 さて、次は教員免許法改正案です。これは結構読むのが難しい。というのも細かいことは、法案成立後に政令・省令で決まるという部分が多いからです。まあ、いくつかポイントのみを見てみましょう。

 ○教員免許更新制の内容について
 ・10年ごとに教員免許は更新が必要になります。免許取得の翌日から起算して10年です。2つ以上の免許を持っている者は、取得日が遅い方の免許を更新の区切りとするとされているので、更新講習は1回で済むようです。
 ・更新講習は更新日の2年前から受講可能で、法案は「30単位以上」としています。
 ・更新講習の修了資格は、2年間有効です。修了から2年以内に更新手続きをしないと修了資格を失うようです。
 ・講習の実施資格者、内容などは後で政令・省令などで決定されます。 

 ○更新講習は誰でも受けられるとは限らないようだ。
 ペーパー教員まで押し寄せたら、絶対に更新講習はパンクすると指摘されていすが、法案を見ると、更新講習の受講資格を限定するようです。
 ・教育の職にある者。
 ・教員職員に任命され、または雇用されることになっている者及びこれに準ずるものとして省令で定めるもの。

 法案だけではよく分かりませんが、これは実質的にペーパー教員を更新講習から締め出すということではないでしょうか。

 ただ、省令で決めるという部分が分からないので何とも言えませんが、もし、単に教員免許を持っていたいからというだけのペーパー教員を講習から締め出すとなると、大学の教職課程は本当に教員志望者のみになってしまうでしょう。だって、10年で失効し、しかも更新講習を一般人は受けられないとなれば、教員免許を無理に取る必要性がなくなります。

 案外、この更新講習の受講に資格を設けるというのは、大学の教員養成に大きな影響は与えることになるのではないでしょうか。

 ○指導力不足教員の研修は2年まで、それ以降はたぶん免職。
 法案は、指導力不足教員に対する判定、研修などの規定を新設しています(正確には教育公務員特例法の改正部分になりますが、一括提案なので実質同じです)。これは現行地教行法で定められている指導力不足教員の配置転換を教員免許の面からより明確に制度化したものです。これによって、ほぼ全国統一基準と方法による指導力不足教員への対応が行われることになりそうです。

 そして、指導力不足教員に対する研修の名称は、「指導改善研修」と法案には書かれています。

 「指導改善研究」の期間は、原則1年以内、教委の判断で2年まで延ばすことができますが、それ以上は認められません。つまり、2年間、改善研究を受けても指導力不足の判定が覆らない場合は、分限免職です。なお、「指導改善研修」中は、教員免許の更新講習を受けることができません。

 ○現職教員に関する扱い(追加)
 附則の部分を読み落としてました。現職教員については、附則に書いてありましたので追加します。
 ・改正案の更新制部分の施行日(平成21年4月1日)前に取得した教員免許には有効期限を設けない。ただし、更新講習を受けなければ、免許は失効する。(いや、本当にそう書いてあるのです。全く信じられません。どういう理屈づけをしたのか分からない。これは国会の答弁の中で説明されるのでしょうが、こんないいかげんな理屈が免許制度の話としてまかり通るのはおかしいです)
 ・現職教員については、更新制の施行日である平成21年4月1日から11年を経過するまでに更新講習修了の確認を受けなければならない。(細かいことは省令で定めるとなっているので、よく分かりません。たぶん、現職教員については経験年数などに応じて都道府県教委が計画的に講習を進めていくことになるのでしょう)
 ・現職教員は、最初の更新修了確認を受けた日から10年ごとに免許更新講習修了の確認をうけなければならない。
 ・施行日以後に新たに別の普通教員免許を取得した場合は、その新免許取得を更新の基準とする。(つまり、平成21年4月以降に新しく別の免許を取得するば、その免許の取得から10年後が更新期間となるわけです)
 ・更新確認期日までにやむを得ぬ事情で更新講習を受けられなかったと都道府県教委が認めた者は、更新期日を延長できる。

 ついでに言えば、改正案の施行日前に取得されているペーパー教員に免許も有効期間をつけないけとども、やはり更新講習を受けてないと失効するようです。ただ、教員に雇用内定しているなでではない限り、一般人は更新講習を受けられないとも本則で書いてあるように読めるので、平成21年4月から10年たつと、大量の教員免許が自動的に失効することになるわけですね。
 本当に、それでいいのかとも思いますが、このへんのことも国会の答弁で扱いが説明されることになるでしょう。




 あとは、地教行法改正案ですが、これはほぼマスコミ報道どおりです。よって省略。

 文科省のパブリックコメントの際に、地教行法改正案の項目の中に、「市町村教委と教育機関は、都道府県教委と文科省の調査に協力しなければならい」という項目があったので、全国学力テストの不参加を表明した愛知県犬山市にほかの市町村が続くことを防止しようという狙いだと思いましたが、さすがにこれは法案には入らなかったようです。これは絶対にやってはいけません。
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教員給与見直しで中教審答申

2007/04/05 02:00
 さて、今回は教員給与のお話です。といっても、細かい制度的な話が中心ですし、私は教員給与が高いのはけしからんという世間受けすることを言うつもりもないので、一般の人はつまらない内容かと。いずれ、時間をかけてもっと分かりやすく書くつもりですが、今回は時間がないので許してください。


○教員給与の優遇「維持を」 中教審が答申(朝日新聞03月29日)

 「教員給与のあり方を論議してきた中央教育審議会は29日、一般公務員より優遇する根拠となっている「人材確保法」を堅持すべきだと、伊吹文部科学相に答申した。伊吹氏は「答申の線に沿って、財務当局と合意を作りたい」と述べた。
 教員給与をめぐっては、昨年成立した行政改革推進法で「人材確保法の廃止を含めた見直し」が盛り込まれ、優遇分に相当する給与の2.76%の削減で政府・与党が合意している。しかし、伊吹氏は「2.76のカットはやらなければならないが、別途2.76を要求することや、2.76を上回る予算要求をすることも可能」と述べ、08年度予算の概算要求では実質的に現状維持以上を求める考えを示した。
 人材確保法の優遇部分の削除は、財務省が07年度からの実施を主張していたが、伊吹氏と尾身財務相が昨年末、1年先送りすることで合意。文科省が優遇の実質維持を主張すれば、財務省が反発する可能性は高い。
 中教審は答申で「教員の職務の重要性を考え、安定的に優秀な人材を確保していくためにも、人材確保法を堅持することが必要」と指摘。政府が「真摯(しんし)に対応」することを求めた。さらに、副校長や主幹、指導教諭などの職や勤務実態に応じた処遇とし、給与にメリハリをつけることも求めている」


 という記事なのですが、待てど暮らせど文科省のサイトに答申がアップされない。わざわざ答申をもらいに文科省まで行く気にもなれないので、知り合いに頼んで手に入れました。

◎人材確保法の維持が最大のポイント
 結論から言えば、人材確保法の存続を提言しただけで、あとはこれまで中教審答申や報告などで出されていたものと比べてもほとんど議論の進展がみられません。「骨太の方針2006」で、平成18年度中に結論を出すことになっていたので、無理無理に3月末に答申を間に合わせたという感じがします。

 とはいえ、「廃止を含めて検討」となっていた人材確保法の存続を打ち出しただけでも、答申としての値打ちはあるでしょう。


◎教職調整額は結論見送り、ただし方向はわかる
 まず、答申で決定事項を整理すると次のようなものです。
 ●教員の事務負担を大規模校に事務長を置くことができるようにする。
 
 ●校長を補佐する副校長を教頭とは別に置けるようにする。

 ●準管理職の主幹、教員を指導する指導教諭を置けるにようにする。

 ●副校長、主幹、指導教諭には独自の給与表を設ける。

 ●一般行政職に比べて2・7%高いとされている部分を縮減しつつ、人材確保法の精神を踏まえて、教員給与にメリハリをつけるための経費の確保を平成20年度予算で図る。

 ●一律4%の教職調整額は見直すが、具体的にどうするかは今後さらに検討する。

 教職調整額については、時間外手当にすべきだとか、休職中は支給対象外にすべきだとか、支給率を勤務実態にあったものにすべきだとかいろいろ意見が出され、まとまらなかったようです。ただ、結局のところは財務省との交渉においてフリーハンドの部分を残しておきたかったというのが本音ではないでしょうか。

 教職調整額がどうなるかは、理屈や現場の実態とは関係なく「政治」で決まりそうです。

 いずれにしろ、給与扱いが外れてボーナスと退職金から切り離されることだけは、まず確実でしょう。


 ◎教員特別手当や特殊教育調整額は廃止・縮減
 次に諸手当ですが、だいたい次のようになっています。
 ●教員特別手当はメリハリのある給与実現の財源とするため廃止または縮減。

 ●特殊教育の調整額は、特別支援教育への移行に伴い廃止を含めて検討。廃止しない場合も給与扱いから外し、ボーナスや退職金の算定基礎から除外する。

 ●部活指導手当の充実を図る。

 ●多学年手当は、必要性があるかどうか見直す。

 ●都市部からへき地校に自家用車で通勤している教員に通勤手当とへき地手当の両方が出されていることが適正かどうか見直す。

 ●管理職手当の拡充を図る。

 どうやら義務教育等教員特別手当は、財源に充てるため廃止方向で検討されるのではないかと思います。

 問題が多いと思うのは、特殊教育の調整額廃止ですね。全教員が特別支援教育に当たるから必要ないという理屈ですが、そんな学校はほとんどないでしょう。調整額なしで特別支援学級担任や特別支援教育コーディネーターをやれというのは、現実的に言って大変厳しいのではないかと。

 部活指導手当の関係では、学習指導要領の改訂に伴い、その位置付けを明確にしていくとして、「正規勤務内で実施しすべきもの」という考え方が示されています。これは部活を教育課程の中に取り込むということでしょう。


 ○人事考課の給与への反映で評価基準づくり
 このほか答申は、次のように述べています。
 「教員の指導力や勤務実績が処遇上も報われるよにうしていくことが必要である。その場合においては、教員の評価は、民間企業で行われているような成果主義的な評価はなじみにくいという教員の特殊性にも留意しつつ、客観性のある評価基準を検討していくことが重要である」

 また、指導力不足教員の認定基準づくりも提言しています。


 いずれにしろ、教員特別手当は廃止・縮減で財源をつくる一方、主幹や指導教諭などの新しい給与表をつくるほか、人事考課で一般教員の給与にもメリハリをつける。その際、教員評価の基準は文科省がガイドラインを作成する。

 人材確保法は存続で押し通し、教職調整額の扱いは財務省や与党との折衝の中で決めていくということになるのでしょうね。
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