斎藤剛史の教育ニュース観察日記

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zoom RSS 義務教育費国庫負担と中教審

<<   作成日時 : 2005/10/21 03:21   >>

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 義務教育費国庫負担制度について中央教育審議会は、存続を求める答申を出すことを決めました。マスコミでは、地方団体代表の意見を押し切って、採決で決めるという異例の措置をとったと報じています。なぜ、中教審は強行採決に踏み切ったのでしょうか。
義務教育国庫負担5割、答申案 採決で決定…中教審
 「中央教育審議会の義務教育特別部会(鳥居泰彦部会長)は18日、国と地方の税財政を見直す三位一体改革の焦点の義務教育費国庫負担金について、「現行の負担率2分の1の国庫負担制度は優れた保障方法であり、今後も維持されるべきである」と明記した答申案を異例の採決の結果、賛成多数で決定した。 26日の中教審総会で正式決定し、中山文部科学相に答申する」(読売新聞10月19日)

 省庁の審議会は、全会一致を原則としています。ただ、全員の賛成が得られないときは、少数意見を併記したり、反対委員に棄権や欠席をしてもらい反対なしという形にする場合もあります。中教審が教育基本法の改正を答申したときもそうでした。教育学者の市川正午委員は、教育基本法改正に賛成しなかったのですが、反対意見はでなかったという形で全会一致となりました。

 今回は、中韓報告では地方団体代表の廃止論も少数意見として載っていましたが、それさえ削除するという強硬な審議運営を中教審はしたわけで、これはやはり異例のことだと言えます。推測ですが事務方はぎりぎりまで調整しようとしたはずです。おそらく官邸筋から地方団体の意見を聞くようにという圧力がかかったことに対して、鳥居中教審会長ら主要メンバーが不快感を表明したのでしょう。どうせ答申しても無視されて、政治決着に持ち込まれるなら、無理に廃止派の意見など聞かず、言いたいことを言えばよいというふうになったのではないでしょうか。

 私は、中教審が義務教育存続の答申案を強行採決して、少数意見も併記しなかったということは、逆に義務教育費国庫負担制度が廃止されることを覚悟したと受け止めています。これからは政治決着の場に移るわけですが、おそらく廃止は確実だろうと思います。その場合、文部科学省は国庫負担金を義務教育費交付金という形にして、総務省の地方交付税ではなく文科省自身の予算に組み込むという対案を出してくると思います。いずれにしろ森前首相をはじめとする自民党文教族の有力者が小泉首相の前に総崩れとなっている現状では、見通しはくらいでしょう。

 最後にこれだけは言っておきます。義務教育費国庫負担金と並んで私立幼稚園補助金と私立高・中・小学校補助金もじつは地方6団体の補助金廃止リストに載っていました。しかし、ほとんど議論されることなく昨年末の政府・与党合意で存続が決まりました。私学団体、特に幼稚園は、自民党議員にとって強力な集票マシーンで小選挙区制度になってからさらに存在感を増しています。当時の官邸は、郵政民営化と引き換えに私学補助に目をつぶったのでしょう。公立学校は自民党の票にはなりません。

 義務教育費国庫負担金廃止では、地方6団体の補助金廃止リストは、金科玉条のように言われていますが、じつはこういう取捨選択が政治家によって行われているのです。


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