斎藤剛史の教育ニュース観察日記

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zoom RSS 教員に中間管理職導入へ

<<   作成日時 : 2005/11/02 22:50   >>

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 少し無理をしたのか風邪を引き寝込んでしまいました。ニュースのチェックもままならならないため、10月26日の中央教育審議会答申の中から一つ取り上げたいと思います。
○中教審答申「新しい時代の義務教育を創造する」の中には、「管理職を補佐して担当する校務をつかさどるなど、一定の権限を持つ主幹などの職を置くことができる仕組みについて検討する必要がある」という提言が盛り込まれています。

東京都では既に主幹制度を導入

 教員ならば分かると思いますが、これは主任の「管理職化」です。これまでも主任制度の見直しは自体は、提言されたことがありますが、主幹という具体的なイメージで制度改革の方向が示されたのは初めてではないでしょうか。主任の制度化と主任制闘争などの歴史を振り返ると、とうとうここまできたかというある種の感慨がわきます。

 主任は校内に置かれている教員のポストで、教務主任、学年主任、進路指導主任、生徒指導主任などがあります。最初は「中間管理職」として構想されたのですが、政治問題化して最終的には他の教員への指導助言や連絡調整を担当する「指導的ポスト」となりました。教員全体で持ち回りという選任のしかたをしている学校もまだあります。教員組織は校長と教頭の管理職以外は、採用1年目教員であろうとベテラン教員であろうと原則的には全員平等という「鍋蓋型組織」になっています。しかし、これでは組織効率が悪い、だから中間管理職となる教員を制度化しようというのが、今度の中教審答申の狙いです。

 じつは、中間管理職的教員ポストの創設ということでは、既に地方が先行しており、東京都では2003年度から「主幹」というポストが設置しました。主幹は、他の教員に対する監督権限がある、教委の選考試験で合格した者しか就けない、給与が教頭と一般教員(教諭)との間に位置付けられているなど、基本的にはまったく中間管理職の扱いになっています。ただし、国の制度上は、教員には校長、教頭、教諭などの区別しかないため中間管理職ポストとして制度上明記することを都道府県教委などは国に求めています。

導入をめぐり現場の混乱は必至

 現在、主幹制度をとっているのは東京都、広島県などですが、2006年度からは大阪府が「首席」、神奈川県が「総括教諭」という名称で同じようなポストを新設することを予定しています。中教審答申を受けて、文科省が制度改正に踏み切れば、中間管理職教員を置く都道府県教委はすぐに全国に広まることになるでしょう。しかし、これだけならず一般の人間にはさほどのニュースでもありません。単なる学校の組織上の問題ですから。ところが、これが学校現場に大きな混乱をもたらすことはまず確実だとなれば、そうそう無関心でもいられないと思います。主任制で日教組と文部省が正面からぶつかった主任制闘争は、教育界に大きな傷を残しました。少し前に北海道では学校管理規則に主任制がないということで文科省が指導に乗り出したという記事がありましたが、これも当時のなごりです。地方によってはまだ難しい問題を抱えているところが少なくありません。

 中間管理職がいない組織というのは、企業や役所では考えられません。一般人は、ピラミッド方組織にそんなに抵抗はないのが普通です。ところが、学校現場では、鍋蓋型組織かピラミッド方組織かをめぐって、ずっと議論が続いています。独立性の強い専門職である教員の集団には、中間管理職はなじまず、導入は教員間に差別を生むというのが反対の理由です。それに対して、学校も組織である以上、教育目標達成のために効率的な組織形態をとるのは当然だというのが中間管理職導入派の主張です。

 私はどちらの論が正しいのかは分かりません。実感としては、鍋蓋型で十分に機能している学校もあれば、ピラミッド型組織にしないと機能しない学校もあるというところでしょうか。いずれにしろこの問題は、どちらが正しいかに関係なく、導入されれば学校現場に相当長い期間にわたりひずみを生むことになります。教員の意識改革が遅いとか、役所が強引過ぎるとかの二者択一で解決できない問題であることは間違いありません。中間管理職が制度化されるかされないかは、ある意味で、学習指導要領改訂などよりもよほど今後の学校の在り方に影響を及ぼす話かもしれません。


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