斎藤剛史の教育ニュース観察日記

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zoom RSS スピードある教育改革と選挙対策は別ものだ

<<   作成日時 : 2007/02/11 01:56   >>

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 最近、教育改革をめぐる話では、「スピード感を持って」という言葉がよく使われるようです。確かに、教育に関する政策は経済政策などと比べて格段にスピードが遅い。変えようといってから実際に変わるのに数年かかることも珍しくないです。しかし、早ければよいというものではないのが教育というテーマの難しいところです。

◎教育改革3法案の今国会提出に固執する安倍首相
○再生会議1次報告、脱ゆとり教育を提言 首相、3法案提出指示(読売新聞1月25日)
○教育3法改正案、国会に 再生会議報告受けて首相表明(朝日新聞1月25日)
○教育改革法案は期限までに提出を 首相、あらためて指示 (産経新聞2月5日)

 教育再生会議の第一次報告を受けて、安倍首相は今の通常国会に関連3法案の提出を明言しました。しかし、記事にもあるようにこれは大変難しい。文科省が当初から予定していた教員免許更新制のための教育免許法改正案、教育基本法改正に伴う学校教育法改正案などは想定範囲内でしたが、これに教育制度見直しの地教行法改正案も加わると、もうほぼ不可能としかみえません。下の二つの記事でも分るように、そもそも都道府県が反対しているほか、与党内でも意見が割れているのですから。
○教育改革:「ゆとり見直し」に異論 国の「勧告権限」にも慎重−−自民教育委(毎日新聞2月7日)
○「ゆとり見直し」先行 第4期中教審(朝日新聞2月5日)



◎伊吹文科相は同意するが収まらぬ異論
○中教審、3月答申目指す 伊吹文科相が集中審議要求(朝日新聞2月6日)
 それでも首相がやれと言っている以上、伊吹文科相もやらざるを得ないところまできているのでしょう。しかし、教育再生会議と違い、思いつきの羅列ですますことができないのが中央教育審議会の答申です。中教審としては、複雑な心境でしょう。そのへんを物語っているのが下の産経の記事です。
○教育関連法案、短期間でも中身のある議論を 官房長官(産経新聞2月7日)


 間に合わせるには、細かいことは法律が出来てから政省令で規定するという時間稼ぎをしないといけない。しかし、重ねて言いますが中教審の審議とてしは、それは無責任です。中教審の山崎会長の「間に合うかどうか、やってみないと分からない。今国会に出すなら抽象的に書かざるをえない。慌てずにやれることをやっていく」という産経新聞にあるコメントは、そのへんの機微というか悩みがよくにじみ出てます。



◎中教審と教育再生会議の関係が悪化?
 そんな中教審に反発したのが、教育再生会議の室長でもある山谷えり子首相補佐官で、中教審改革を教育再生会議でやるとぶち上げた。しかし、さすがにこれには安倍首相も抑えに回るしかなかったようです。
○中教審見直し、首相が否定 山谷補佐官の発言、即否定(朝日新聞02月09日)
○山谷補佐官の中教審批判に、伊吹文科相が反論(朝日新聞02月09日)

 それにしても、教育再生会議の議論がすべて非公開なことを棚にあげて、「(議論を)オープンにしないと、何の役割も果たしていないんじゃないか」(朝日新聞記事)と中教審を批判した山谷補佐官は、どういう神経をしているのでしょうか。もっとも、あまり深く考えないというのは、この人の特徴のようですが。


 そして、教育再生会議と中教審の関係を解説したのが下の読売の記事です。
○教育改革ギクシャク…再生会議と中教審(読売新聞2月10日)



◎選挙目当ての教育改革は拙速にすぎない
 いずれにしても、今の通常国会に関係法案を提出するということに安倍首相がこだわっていることが、すべての原因です。そして、その理由は、4月の地方統一選挙と夏の参院選挙への対策であることは明白です。

 閣僚などの不祥事や問題発言が続き、経済、雇用、年金などの分野で国民の支持を得られない安倍首相にとって、目に見える形で示すことができる国会への法案提出は、絶対に必要なことです。

 裏を返せば、法案を提出して選挙にアピールできればそれでいい。法案審議がどうなろうと、その法案でどれだけ学校教育や教育行政が混乱しても関係ないということでしょうか。

 ○教育改革3法案、全ての成立こだわらず 下村副長官(朝日新聞01月28日)
 記事が出た後、発言は撤回されましたが、「法案が成立しなくてもよい」と発言した教育改革担当の下村博文官房副長官の発言は、首相周辺の本音というか気分を的確に示していると思います。


 地方統一選と参院選に自民党というよりも、安倍政権が勝ちたい。そんな思惑で、学校教育や教育行政の根幹にかかわる問題が、まともな議論もなく無理やり処理されていく。こういうことを「スピード感のある改革」とは絶対に言えません。

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