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教育再生会議の第一分科会の動向で、道徳教育の改革があります。以前のエントリーでは少し触れましたが、第一分科会の資料が公開されたので見てみると、どうやら単なる保守的な道徳教育の充実ではないような気がします。 ○マスコミ報道には偏見があったのではないか。 ◎道徳、「教科」に格上げ案 教育再生会議分科会が提言へ(朝日新聞03月30日) ◎道徳教科化、「評価」は反対意見大勢 教育再生会議(朝日新聞04月09日) 上の記事からは、明らかに従来の保守的立場の一部から出されていた道徳教育の充実、その一つとしての道徳の教科化というニュアンスが伝わってきます。 しかし、引っかかったのは、道徳の教科化について質問を受けた伊吹文科相が、 「報道各社は、言葉を選んできちんと報道してもらいたいと思いますが、教育再生会議は『徳育』と言っているのではないですか。道徳とは言ってないと思います」(閣議後大臣会見) と答えたことです。 確かに新聞報道でも「徳育(仮称)」という教科名はありますが、いずれも「道徳の教科格上げ」というニュアンスの中での情報でした。 ○教科格上げと新教科はニュアンスが異なるのではないか で、サイトにアップされた教育再生会議の第一分科会の資料を見ると、次のようなものがあります。 ◎たたき台(新教科「徳育」の設置) ◎学力と徳育関連資料 この資料は、白石主査と小野副主査の共同提出となっていますが、虚心坦懐にこれを見ると、ここから読み取れるのは既存の道徳の教科格上げではなく、従来の道徳とは全く異なる新しい教科をつくろうということです。おそらく事務局もこれにかんでいるだろうと私は思います。 実際に、議事概要を見ると、道徳の教科化で一致したと伝えられる会合の中身は、生きる力を身につけるためのスキルを学ぶ新教科を創設したらどうかという議論でした。 「徳育」という科目名よりも「生き方科」という名称の方がふさわしいという発言もあります。議論の中でも言及されていますが、おそらく、白石主査と小野副主査の念頭には東京都杉並区立和田中学校の「よのなか科」があるのは、ほぼ間違いないだろうと思いました。 ただ、ほかの委員の発言を見ると、道徳の教科化と提案された新教科の関係が全く理解できていない人、ともかく道徳を増やせと言うだけの人などがいて、議論があまり噛み合っていない印象を受けます。ここだけの話、教育再生会議の議事録は読んでいて、笑いどころ満載です。こんな訳の分かっていない人々が、噛み合わない議論をしていれば、マスコミに審議公開などできるわけがないというのはうなづけるところです。 話を元に戻すと、一部主要委員は、道徳の教科格上げという形をとって、全く別の「生きる力」のための新教科を構想しているのではないか、というのが私の見方です。 ○結局は、次の次の学習指導要領の話。 だとすれば、現実問題としてどうなるか。教育再生会議が「徳育」や「生き方科」などの新教科創設を提案したとしても、その具体化を検討するのは中央教育審議会であり、議論はおそらく1年や2年はかかるでしょう。全くの新教科ですからね。 となれば、今年度末ごろに予定されている次期学習指導要領の改訂などに間に合うはずもない。ということは、次の次の学習指導要領改訂の課題となるわけです。 それにしても、道徳の教科化という保守的な人々にアピールするような新教科「徳育」という名称の裏で、実際のところは「生きる力」をより強化するような新教科「生き方科」を構想している一部委員(あるいは事務局も含む)がいるというところに、私としては非常に興味を感じました。世の中、表と裏があり、なかなか一筋縄ではいきませんね。 |
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